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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?
「とりあえず、教室戻りなよ。ホームルーム始まるし」
みんなの注目を浴びていることがいたたまれず、俺は話を中断し、そのまま教室に入ろうとした。
だけどすぐに足を止める。なんだか引っ張られたような気がして振り向くと、彼女に制服の裾を掴まれていた。指先でちょこんと挟むようにして。
びっくりして彼女の顔を見ると、彼女もその行動は無意識のものだったらしい。我に返ったような顔で、慌てて俺の服から手を離した。
恥ずかしそうに顔を赤らめる。なんという小動物チックな仕草。
ついキュンとしてしまったけれど、そんな様子は微塵も出さずに、俺は言う。
「どうしたの?」
一瞬の沈黙
「涼川さん?」
「あの……もし谷口くんが大丈夫だったら、もう一度……」
その時だった。
予鈴を告げるチャイムの音が、鳴り響いた。
生徒たちが席に着こうと動き出す。
「ごめん。じゃあまた、谷口くん」
「え? うん」
そのままそそくさと自分の教室に戻っていく涼川さんを呆然と見送り、俺も席についた。