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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?

 ――あの……もし谷口くんが大丈夫だったら、もう一度……。


「いやいやいや、ダメだろ!」


 放課後一人で帰路につきながら、俺は頭の中で響く彼女の言葉に、全力で首を振り、つっこんだ。

 チャイムが鳴る寸前、彼女が言わんとしていたことを頭の中で反芻する。

 鈍感な俺でもわかる。きっと彼女はもう一度俺を縛らせてほしい、そう言おうとしていたんだ。

 それはダメだ。気が引ける。

 可愛い彼女にそうされるのが嫌というわけではないけれど、一回彼女の家に言って手首を縛られただけであんな夢まで見てしまった自分が、怖かった。下心満載で、しかもMっ気全開の自分が。

 俺は人通りの多い表通りを歩きながら、深いため息をついた。

 涼川さんには悪いけど、しばらく彼女とは距離を置こう。もともとそこまで親しいわけじゃないけど。

 ――金曜日のことは、忘れよう。もともと一回だけって約束だったし。

 クラスも違う。それだけが救いだ。

 彼女に話しかけられても無視しようと決意し、俺は家路を急いだ。
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