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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?
「遅くまでありがとね、助かったわ。もうすぐ七時になるし、暗くなる前に帰んな。これ差し入れ」
「はーい」
司書さんの声に、俺ともう二人の図書委員達は、一斉に顔をあげて伸びをした。ずっと机の上での作業だったから、体が凝り固まっていた。
俺達はコーヒーを貰って、図書室を出ようと自分の荷物を探す。
「あれ、俺のカバン知らない?」
図書室のいつもの場所に置いておいたはずのカバンが見つからない。
「教室に忘れたんじゃねーの?」
「いや、そんなはず……。ちゃんと持ってきたよ」
いくらなんでもカバンを忘れたりなんかしない。
「カバンて、いつもあそこの棚に置いているやつ?」
司書さんの指の先を確認し、俺は頷いてみせる。図書室に来る時はいつもそこに荷物を置いていたため、図書委員になって奥で仕事をするようになってからも、そこに置くのが習慣になっていた。
「自分の持ち物は自分の目の届くところに置いておかなきゃダメよ」
「……すみません」
もしかして、誰かに盗まれでもしたんだろうか。今までそんなことは一度もなかっただけに、不安になる。