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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?

 涼川さんの肩が、ぴくりと反応する。何か後ろめたいものを隠すように、俺のエナメルをほんの少し後ろに引いた。多分無意識の行動だろう。


「それ図書室に置いてたはずなんだ。……もしかして、それ盗んだの涼川さん、なの?」


 返事はない。


「そうなんだね」


 彼女の反応で、予想が確信に変わる。だけど理由はわからなかった。

 金品が目的? 彼女がそんなことをするなんて、信じられない。


「……なんで?」


 自然と口から滑り落ちる。

 素朴な疑問をそのまま投げかけたつもりだった。それが彼女には、俺に問い詰められていると感じたらしい。

 俺から視線を逸らし、一瞬怯えたような目を向けてくる。


「こうでもしなきゃ、谷口くんが私と話してくれないと思って」


 予想外の返答だった。俺は思わず目をみはる。


「正直に言ってよ。本当は迷惑だったんでしょ? 私に手首縛られたり、家に連れて行かれるの。部屋にあったアダルトグッズも、本当はドン引きしてたんでしょ? ……私のこと、変な趣味って思ってるんでしょ? 嫌い……な」


 そこでようやく、彼女の状態に気付く。
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