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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?

「な、なんでそんなこと……」

「教えて」


 彼女の瞳が、射るように俺を見ていた。

 視線を逸らそうとするも、顔を固定されていてはそれもできない。


「やだ……よ」

「ダメ」

「ダメって……」


 俺はどうしたらいいかわからず、黙り込んだ。彼女も黙っている。

 なんとも言えない沈黙が続き、やがて彼女はぽつりと、自分自身に問いかけるようなニュアンスでつぶやいた。


「相手を性欲の対象として見るのって、そんなに、いけないこと……かな?」

「え?」


 意外な問いかけに、俺はさらに戸惑った。


「いけないっていうか……嫌じゃないの? す、涼川さんをオカズに抜いたことだってあるんだよ」

「大丈夫よ」


 にっこりと笑みさえ浮かべて言う彼女に、俺は意地になってたたみかける。


「涼川さんが好きとか、そういうんじゃないんだよ……!」

「わかってるよ」

「……っ」


 そんなふうに返されたら、何も言えなくなってしまう。


「私だって、谷口くんと同じようなものだもの。あの日、手首を縛ったらもっといろんなとこ縛ったり触ったり、キスしたくなったりしたの。好きとか、わからないのに」
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