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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?
こんなの、初めて。囁くようにそう付け加える。とても小さな声で。
その瞬間、俺の心臓がどくんと脈打った。
「今も私……谷口くんの顔見てるの楽しい。恥ずかしそうに視線を逸らそうとするの、邪魔したくなる」
「な……んだよそれ」
すぐ近くに彼女の顔がある。赤く熟れた唇がある。……目に毒だ。
俺は体を後ろに引いて、何歩か下がった。
「ねえ、教えて? どんな夢見たの?」
だけど、涼川さんは食い下がってきた。
「どんなって……」
「夢の中の私に、どこを縛られたの?」
その一言で、あの時の夢がフラッシュバックする。何度か涼川さんが出てくるいやらしい夢はみたことあるが、一番始めはやはり強烈だったのかもしれない。
肌に縄が食い込む感触が、生々しく蘇る。
同時に全裸姿で俺に迫る涼川さんの姿も、鮮明に浮かんだ。
思わず視線を逸らそうとして、横を向こうとしたけれど、涼川さんの手にさらに力がこもり、再び視線を合わせるよう前を向かされた。
彼女の顔を、間近で直視するハメになる。
夢の中の彼女の、扇状的な表情が今の彼女に重なって見え、俺の心臓が早鐘を打つ。