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激しくしないでっ!
第4章 れっつぷれい!?

「ダメ。教えてくれるまで帰さないから」


 だけど涼川さんは、俺の提案を聞くどころかそんなことを言う。


「カバンも返さない」

「そんなの困……」


 俺が言い終わる前に、彼女は一歩足を踏み出し、両手で俺の胸を突いた。

 不意打ちにバランスを崩し、よろける俺。そのまま教室の後ろの棚に寄りかかろうとした俺の手をさらに彼女は引いた。

 棚伝いに座り込み、背中を軽く打ちつけてしまう。一瞬息を詰めた俺が目を開けた時にはもう、目前に彼女の気配が迫っていた。


「涼川さ……」


 俺は焦って立ち上がろうとしたが、俺の足の上に彼女の体が乗っていて、それもかなわない。


「どいて、よ」


 生の太ももの感触。ヤバい、起つ。

 彼女の息が頬にかかり、顔が見えなくても彼女の顔がすぐ近くにあることが、その気配でわかってしまう。

 押し退けたいけど、前みたいにまた突き飛ばすのは嫌で、顔を背けることぐらいしかできない。

 心臓がバクバクいっていた。


「どこを縛られたの? ここ? それともここ?」


 囁くように言いながら、ワイシャツ越しに俺の胸や腹、首筋を彼女が触ってくる。
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