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激しくしないでっ!
第6章 順番が逆でしょう?

 なのにこんなふうに最後までしてしまい、罪悪感を感じずにはいられなかった。


「……帰ろうか。送るから」


 彼女の目も見れず、俺はうつむいたままそう声をかける。

 ……かっこわりい。そんなのいつものことだけど。

 彼女は無言で頷いた。

 結局見まわりの先生は来なかった。

 真っ暗闇じゃ着替えるのは困難だろうと思い、廊下側の電気を少しだけつけた。俺は教室の隅で後ろを向いて、彼女が服を着終え、身支度が整うのを待った。

 使ったゴムはそのまま放置するわけにもいかず、ビニールに入れきつく縛って、さらにそれをビニールに入れ二重にしてから、カバンに押し込んだ。

 最後に電気を消し、二人で教室を出たのは、すでに八時をまわった頃だった。

 本当、よく先生来なかったと思う。鍵とか閉めに来ないんだろうか。

 そんな疑問を抱え職員室の前を通ると、まだだいぶ先生達は残っていた。テスト前だから忙しいのだろうか。だから校内の見まわりも、遅いのかもしれない。

 俺はほっと息をつきつつ、涼川さんと共に、学校をあとにした。
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