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激しくしないでっ!
第6章 順番が逆でしょう?
女の子に気を遣わせる男なんてダメだ。
俺は勇気を振り絞り、ようやくそう切り出す。
「もう大丈夫。スッキリ。……谷口くんは?」
「俺も……スッキリ」
……全てが終わった後だと、スッキリという単語が妙に生々しく聞こえるから不思議だ。
てかスッキリってなんだ。
「そう、良かった」
再び沈黙が訪れた。
どちらからともなく歩き出す。
そういえば、星が綺麗ねと語りかけられていたのにすっかり無視してしまっていたのに気付き、俺は歩きながら再び空を見上げた。
確かに綺麗だ。ぽつん、ぽつんと、まばらだけども確かに輝き、その存在を主張している。
「どの星が好き?」
無意識のうちに、そう問いかけていた。
「え?」
この質問は、予想外だったのだろう。彼女は振り向き、大きく目をみはった。
黒い瞳が、今にもこぼれ落ちそうだ。可愛いらしいその表情に、俺の胸はどきりと高鳴る。
だけどすぐに彼女も夜空を見上げ、真剣な面もちで考え始めた。
俺はその横顔を見つめる。
乱れた髪は、彼女が手で整えていたせいか、ほとんどぼさついていなかった。