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激しくしないでっ!
第6章 順番が逆でしょう?

 白い肌や整った顔立ち。大和撫子を体現したような綺麗な容姿。改めて眺めながら、ついさっきまでの、学校での行為が頭をよぎる。

 彼女は嫌じゃなかったのだろうか。あの時俺を求めてきたのは、媚薬のせいだってわかってる。だけどあんなにムキになって、俺がシカトしていたことを咎めてきたのはなんでだろう?

 ――彼女は俺を、どう思っているんだろう。

 じゃあ、俺は?

 自分の中のどこかの部分が、そう問いかけてくる。

 欲情が治まった今、俺は彼女をどう見てる?

 その答えは、本当はもう出ていた。彼女を抱いていた時から。いや、もしかしたらもっと前から。


「涼川……さん」


 呼びかける声が、なぜか震えた。


「ん?」

「俺と――付き合ってくれない?」


 彼女から目は逸らさなかった。心臓の音が彼女まで聞こえるんじゃないかと思うくらいにドキドキしてたけど、今だけは逸らしたくない。

 あー、多分今俺真っ赤な顔してる。かっこわるい。全然スマートじゃない。


「私のこと、好きなの?」


 彼女は夜空を眺めていた時のような、真剣な顔で俺を見つめている。
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