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激しくしないでっ!
第6章 順番が逆でしょう?

 まるで俺の心の中を、見透かされてるみたいだった。


「……わからない」


 そのせいだろうか。偽る暇も着飾る暇も与えられないまま、本音をぶちまけていた。


「好きかって聞かれたら、まだよくわからないんだ」


 彼女は何も言わなかった。

 俺から視線を逸らすこともせず、見つめたまま。捉え方によっては最低な発言だと気付き、慌てて言い添えた。


「もしかしたら、涼川さんの容姿に惹かれただけかもしれない。まだ会ったばっかだし、なのに……いろいろ、しちゃったけど……」


 そこの部分はつい声が小さくなる。


「だけど涼川さんのこと、もっと知りたいって思ったんだ。変わった趣味のこともそうだし、好きな音楽とか食べ物とかいろんなこと……」


 心臓、飛び出しそうだ。


「あと俺涼川さんと、いろいろしてて……頭撫でたり、抱きしめたり、大事にしたいって思った。いつからかわからないけど……。最初は涼川さん自身への興味はなくて、芽生えたのがいつかもわからないけど。……ごめん、わからないことだらけで」


 支離滅裂な告白。気恥ずかしさで、もう彼女を直視していられなかった。
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