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激しくしないでっ!
第6章 順番が逆でしょう?
「でも、涼川さんのこと、これから知っていきたいんだ」
「……それって、私自身に興味を持ってくれたってこと?」
黙って聞いているだけだった彼女は、そこで初めて口を挟んだ。
「多分……」
だから、なんだ多分って。歯切れの悪い。
涼川さんが、一歩俺の元に近づいてきた。もともと隣にいた彼女は、目前にまで迫ってきていた。
すぐ近くに彼女の綺麗な顔があった。
涼川さんはそんな至近距離で、俺のことをじっと見つめていた。
そして、とどめの一言。
「私の体にじゃなくて?」
「ち、ち……」
違うよ! とは、さすがに言えなかった。貪欲に、あれだけちちくりあったあとだし。
「体にも……興味はあるけどっ。でもそれだけじゃないよ」
「本当に?」
「本当だよ!」
ついムキになってしまう。
「なんなら、そういうことしなくてもいいし。普通に出かけたり、一緒に出かけたり、メールしたり……」
唐突に、彼女の顔が視界から消えた。
え?
驚いて下を向くと、涼川さんは口元を片手で覆いしゃがみこんでいた。
「涼川さん?」