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タワマン〜墜ちた女達〜
第2章 引っ越し〜住民会議
「じょ、冗談です。冗談ですから!そ、そうだ!こういう共用施設を使いたい時はどうすれば?」

狩野は慌てて話題を強引に変える。高城は無表情のまま、狩野の質問に答える。

「トレーニングルームは基本的に出入りがいつでも可能です。それ以外の施設は事前に私に予約を申し出てもらう形です。ただ予約が被る場合は上階に住む方が優先されます。」

「先に下の階の人が予約していても…ですか?」

「その通りです。」

「あぁ…。それで下の階の人から文句出ないんですか?」

「逆に下の階の方からお譲りしたいと言われますので。自分の上司などを差し置いて、場所を独占できると思いますか?」

高城から逆質問のように言われ、『できないだろな…。』と狩野も納得せざる得ない。

「それから、今ご覧になった施設は11階から上の住民しか予約等はできません。下の階の方は2、3階の小さい方を使われます。上の方の同席の下であれば使用はできますが。」

「なるほど。完全に10階と11階で線引きされているんだなぁ…。別に4階とかでも良かったけど、11階にして正解だったかな…。」

「20階も内見されたようですが…?」

20階も選べたのに、4階でもという発言が引っかかたのか、高城が疑問をぶつけてくる。

「ん〜?まぁ、こう見えても、一応金持ちだから、20階でもいけたけど…。あそこはさすがに一人暮らしには広すぎて。11階でも十分広すぎるし…。今の話聞くと、20階で一人暮らしってなると、余計な反発やしがらみが増えそうだから。」

「そうですか…。羨ましい悩みで…。」

短い時間であったが、狩野はこの無表情の知的美人と仲良くなれ、少し距離が近づいたように感じる。狩野自身、話し方がだいぶくだけてきた。もっと仲良くなりたいとは思うが、どうやら、終わりのようだ。

高城がエレベーターの前に立ち、狩野を振り返る。

「では、今日のご案内はここまでです。何か不都合がある時はご連絡ください。」

深々とお辞儀をしてくる。

「ありがとう。楽しい時間だったよ。また何かあれば連絡させてもらうよ。ご苦労さま。」

「いえ、住民の方からお礼を言われるなど。」

「気にしない。気にしない。堅苦しいのは抜きで。俺もその方が楽だし。では。」

ひらひらと手を振り、エレベーターに狩野は乗り込む。ドアが閉まる寸前、高城が再度お辞儀するのが見えた。
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