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タワマン〜墜ちた女達〜
第12章 狩野の日常②
その高城は『狩野さんも大変ね…。あの人に気に入られちゃったみたいね…。』と、軽く狩野に同情しながらも自分の仕事に精を出す。

そんなことを高城が考えてるなど露知らず、狩野は必死に泳いでいた。50mの勝負を3本やって、2勝1敗。萌衣の顔が膨れている。子どものように怒る顔に狩野は笑ってしまいそうになる。慌てて笑いを堪える。

手を抜きたいが、それをすると絶対不機嫌になる。それがわかっているので、手は抜かない。しかし、このまま勝つのもマズい。どうしようかと悩む狩野だったが、それは杞憂に終わる。その後二本泳いでどちらも萌衣の勝利だったのだ。

理由は明白で、狩野の体力が続かなかったのだ。ゼエゼエと荒い息をする狩野に対して、萌衣はまだ余裕のある顔をしている。

「体力ない…。情けない…。」

ポツリと言う萌衣にさすがにイラッとくる狩野だが、萌衣の顔を見て気が抜ける。萌衣は勝ったことが嬉しいのか、疲れた狩野が面白いのか、涼やかな顔で笑っていたのだ。その可愛らしく、綺麗な笑顔に毒気を抜かれてしまう。
同時に下半身が熱くなる。あの顔を恥辱に染めたい。心の奥でそんな欲望が頭をもたげる。

狩野はその思いを一旦消し去るため、水に潜る。頭を冷やしてから顔を水面に出す。

「この前は俺が。今回は貴女が。1勝1敗。次が本当の勝負。」

「…。いつでもどうぞ…。」

狩野の言葉に口の端で笑う萌衣。狩野は頷いて、プールを上がる。無言で更衣室に引き上げる狩野の後ろ姿を面白そうに萌衣は見つめていた…。

着替えてプールのある部屋を出ると、高城が待ち構えていた。相変わらず無表情で何を考えているかわからないが、狩野は高城の目に面白がっているような雰囲気を感じ取る。

「蒲田さんに俺がプールを使用すること漏らしたろ?」

そんな高城を睨むように言う。高城は全く表情を変えずに淡々と答える。

「蒲田様からプールを使用したい申し出がありまして、たまたま狩野さんが使用される日だったので、そうお伝えしただけですが?」

高城の答えに何も言えなくなる狩野。悔しいが反論ができない。仕方なく帰ろうとする狩野に高城が声をかける。

「狩野さん。次はいつ使用されますか?」

堂々と聞く高城に半分呆れる狩野。また萌衣に伝えるつもりだろう。少し考えた後、高城に言う。

「次は1ヶ月後。そう蒲田さんに伝えてくれ。」
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