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タワマン〜墜ちた女達〜
第13章 3人目〜高城礼奈~
「はぁっ…。有給どうやって消化しようかな…。」

コンシェルジュの高城は深いため息をつく。今日は仕事が休みの高城は自宅のアパートですることなく、朝からぼんやりと考えごとをしていた。

仕事人間である高城は有給が溜まりに溜まっており、会社から早く消化するように通達されている。しかし、高城は仕事を休んでもやることがない。

そもそも、アパートに居たくもない。できるなら職場にいたいくらいなのだ。しかし、今日はアパートの大家が訪ねて来るという。仕方なしに何もすることがなくとも部屋にいる。

殺風景な部屋。床に敷かれたラグにリビングテーブル。隣にベッド。ほぼそれだけ。テレビなどもない。物がほぼない部屋でぼんやりと過ごす。

その時、チャイムが鳴る。時計を見れば、きっかり10時。大家だろう。初めて会うが時間に正確な人のようだ。
オートロックなどない、1Kのアパート。高城は用心のため、チェーンをつけたままドア越しに誰何する。

「はい、どなたですか?」

「あっ、大家です。高城さん。お話があって参りました。」

ドアの向こうから若い声がする。どこか聞き覚えのある声。大家にしては若い。高城は不審に思いながら、チェーンを外さず、ドアを少し開けて外を確認する。

「はっ…?」

常に無表情の高城がぽかんとした表情をする。そんな高城にドアの前に立った狩野がにっこり笑いかける。

「大家の狩野です。高城礼奈さん。少しお話したいので、中に入れてくれませんかね?」


呆然としていた高城だが、チェーンを外し、狩野を中に招き入れる頃には、元の無表情に戻っていた。

「どうぞ…。何もありませんが…。」

リビングテーブルの片側に高城は座り、向かい側を勧める。狩野は座布団もないまま胡座をかいて座る。

「狩野さんはいくつか不動産をお持ちと言ってましたね…。」

狩野の情報を思い出したのか、高城が苦々しい声で言う。仕事の時と違い、かなりすっぴんに近い高城。長めの髪を後ろで縛り、フチのない大きな丸眼鏡をかけている。いつものかっちりした制服ではなく、トレーナーにズボンとラフな格好。こうして見ると、どこにでもいる女子大生のようだ。

「ええ、親から引き継いだものですが…。たまたま家賃の納入などのチェックをしていたら、高城さんの名前が出てきたので…びっくりしましたよ…。」

高城は深いため息をつく。
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