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タワマン〜墜ちた女達〜
第4章 1人目〜伊藤晴香〜
狩野はその日から忙しく外出を繰り返していた。無職であっても、やることは多い。さらに鈍ってしまった体を元に戻すため、早朝からのランニングも始める。海沿いの公園が目の前にあり、走るのには抜群の環境なのだ。

それで気づいたが、柊美夜や蒲田萌衣の二人が同じようにランニングしていた。時間のズレは多少あるが、毎日すれ違う。狩野は愛想良く会釈をすると、美夜の方は会釈を返すが、萌衣の方は完全に無視される。
性格的なものもあるかもしれないが、美夜の方は全方位に愛想が良く、萌衣は全方向に対して無愛想なのだ。立場的にもマンションの代表である美夜は裏の顔はどうかわからないが、表の顔は良い。No.2の萌衣は愛想良くなくても大丈夫なのか、かなり無愛想である。

そして、もう一つ気づいたのが、伊藤晴香が常にマンションのどこかを掃除したり、何かしらマンションのためになることをしているということだ。

実は会議の日の次の日に晴香はお菓子を持って狩野の部屋を訪れていた。たまたま在室だった狩野が玄関に出ると、晴香はガチガチに緊張しながら、お菓子を差し出してくる。

「昨日は手伝っていただき、ありがとうございます。これはお礼の品です。お口に合うかわかりませんが。」

早口に言い、お菓子を差し出してくる晴香に狩野は戸惑う。

「いやいや、片付け手伝っただけですし。ここまでしてもらわなくても…。」

「でも、受け取ってもらえないと、主人に怒られますので…。」

「と、とりあえず上がってください。」

狩野が受け取りを拒むと、途端に泣きそうな顔をする晴香。狩野は要らぬ誤解を招かぬように、晴香を中に強引に引き入れる。玄関先でドアを開けたまま、押し問答しているところを他の住民に見られたら何を言われるかわからないからだ。

「落ち着いて中で話しましょう。」

狩野が声をかけると晴香は申し訳なさそうに頷きながら、靴を脱ぐ。晴香も玄関先で騒ぐのは良くないと思ったのだろう。それと晴香は相手に強く出られると、それに従ってしまうような印象だ。

「どうぞ…。あまり片付いてはないですが…。」

狩野はリビングに晴香を通す。そこは狩野がインテリアのお店で気に入った部屋のレイアウトで置いてあるものを丸ごと買ったので、落ち着いた雰囲気のおしゃれな雰囲気にまとまっていた。乱雑に書類が置かれたりして、生活感が出てしまっている。
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