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タワマン〜墜ちた女達〜
第13章 3人目〜高城礼奈~
渋々といった口調で、時間や日程の調整を受け入れる礼奈に狩野が言う。キョトンとした表情で玲奈は聞く。

「プレゼント…ですか…?」

「ああ、そうだ…。勤続1ヶ月。いい節目だからな…。しっかり俺の要求に応えてきたからボーナスだな…。」

「はあ…。ありがとうございます。」

気のない返事を礼奈はする。ボーナスと言われても礼奈はさほど嬉しくはない。狩野に抱かれた翌日に渡された20万。それがあれば節制が身についた礼奈にとっては十分過ぎるお金。さらにこの1ヶ月は狩野の部屋で生活しているようなもので、食事代や服装など全て狩野が払っている。母の治療費のために貯金はしたいが、狩野との時間を減らされるのは哀しい。

「それで、礼奈。休みは何日取れる?有給はあるか?」

「はぁ…。会社から有給取れとうるさく言われてますが…。そうですね…。最長5日なら取れますが…。それが…?」

「5日か…。よし!温泉旅行に行くからな。礼奈の取りやすい平日で5日の有給を取れ。ボーナスの社員旅行だ。」

「社員旅行…。温泉…。」

「知り合いがなかなか良い感じの旅館をオープンさせてな、来てくれと言われてる。離れの一棟借りで露天風呂なんかも付いている。誰にも邪魔されずにのんびりできるぞ?」

「なるほど…。そこで私にあれやこれやと厭らしいことをするつもりですね…?」

礼奈が身も蓋もなく言う。しかし、その顔はどこか嬉しそうである。

「わかりました。ありがとうございます。嬉しいです。」

照れ隠しのように頭を下げる礼奈。そんな礼奈に狩野がさらに告げる。

「ただし、完全に社員旅行になるのは2日ほど。残りは専属コンシェルジュとしても働いてもらうことになる。」

狩野の言葉に礼奈が首をかしげる。どういうことかと思っていると。

「日にちをずらして晴香と真千子を呼ぶ…。その際は色々手伝ってもらうつもりだ。」

狩野が衝撃的な考えを披露する。狩野はそもそも晴香と真千子、そして紗綾の3人と日程をずらして旅館で会うつもりだった。それぞれ1泊ずつくらい。紗綾なら2泊はできるかもと考えていた。
しかし、予想より早く礼奈を手に入れたため、予定を変更し、礼奈とも楽しみつつ、晴香や真千子と引き合わせておこうと思ったのだ。

「伊藤さんや湯中さんを…。なるほど…。私は狩野様の酒池肉林のお手伝いをするわけですね。承知しました。」
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