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タワマン〜墜ちた女達〜
第14章 温泉旅行 礼奈編
温かく添えられた狩野の手のおかげで震えが止まる。礼奈はかなり緊張していたのだ。礼奈にとっては初めての異性と二人きりの泊まり旅行。まともにデートもしたことなかった礼奈にはかなりハードルが高いものだったのだ。

「こういう旅行なんて…初めてですから…。」

ことんと頭を狩野の肩に乗せ、甘えたように礼奈が言う。狩野はそっと頭を撫でてやる。あまりペラペラ話すことはなかったが、十分に甘い雰囲気の中で二人の電車の中での時間が過ぎていく。

駅に着く前に礼奈が思い出したように言う。

「駅に着いたらどうするんですか?かの…、孝宏さんが手配すると言うので、私は何もしていませんが…。」

「ああ、観光タクシーを用意してある。礼奈とはたっぷり時間があるからな。旅館に籠もる前にまずは観光だ。夕方まで観光してからその後に旅館に行く。」

「そうですか…。ありがとうございます。」

嬉しそうに笑う礼奈。正に初デートのような感覚だ。駅に着いて、予約していた観光タクシーに乗り込み、まずは景色が良いという湖のほとりに向かう。
荷物をタクシーに預かってもらい、二人は手ぶらで湖のほとりを散策する。

最初は恥ずかしがったが、礼奈は今、狩野と腕を組み歩く。

「なんだか…不思議な気分です…。こんな風に仕事を離れて…だ、男性と歩くなんて…。」

「そうか?まあ、礼奈はそうかもな…。俺はいい気分だぞ。隣でこんな美女が一緒に歩いてくれて。」

「そんな…。」

狩野が臆面もなく言うのに対して、礼奈は恥ずかしそうにする。基本的にSEX中でないと、デレた表情を見せない礼奈の顔を見るため、徹底的に歯の浮くような台詞も遠慮なく言う。

二人はのんびり歩く。その時、狩野が歩みを止め、玲奈を抱き締める。

「狩野…様…。こんなところで…。」

「誰もいないから…。」

そう言って唇を奪う。

「んチュッ…。ンッ…。んはぁ…。強引ですぅ…。」

狩野に抱き締められたまま、礼奈はその胸に頭を預ける。

「礼奈がそうさせるんだよ…。お前の初めては俺が全部奪うからな…。」

狩野の言葉に礼奈は目を閉じ呟く。

「お願い…します…。」


二人はしばらくそのまま抱き合い、やがてさらに密度を増した状態で並んで歩く。二人は湖の近くの観光客向けの店が立ち並ぶエリアに入る。

一気に人通りが増す中、二人はお店を回って行く。
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