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タワマン〜墜ちた女達〜
第4章 1人目〜伊藤晴香〜

「い、いいんですか…?」
「ええ、言ったら旦那さんはまた気を使われるでしょう?それより、秘密にしていたほうが私も楽ですし。」
「あ、ありがとうございます!助かります!」
「気にしないでください。同じマンションの住民じゃないですか。本来、助け合うべきなんですから。それに伊藤さんのほうが先輩ですし。」
「そんな…先輩だなんて…。狩野さんは…おいくつなんですか…?」
「私ですか?私は27歳です。伊藤さんは?」
「さ、32歳です…。」
「なら、私より年上ですし、気楽に話してください。敬語もいらないですよ?」
「そういうわけには…。」
「まぁ、無理にとは言いませんよ。でも、上の階の人間と親しくすること自体は問題ないはずですし。気楽にね?」
「はい…。ありがとうございます。」
そういうことがあり、晴香の狩野に対する態度は柔らかいものへと変化していた。晴香がマンションの掃除などをしている時はさり気なく手伝ってやったりもした。
そんな風にして、狩野がマンションに引っ越してきてから1ヶ月がたった頃にそれは起きた。
狩野が朝のランニングを終えて、マンションに戻って来た時であった。そこでばったり晴香と出会った。晴香は1階の廊下を掃除しているところだった。晴香は狩野に気がつくと、挨拶するために慌てて立ち上がる。その拍子に側に置いてある壺を置いた小さなテーブルにぶつかる。
グラっと壺が揺れ、そのまま床に落ちる。
「あっ…!」
狩野が手を伸ばしたところで、届かない。ガシャンという音ともに壺が割れる。
「あっ…!あぁっ…。」
晴香が言葉にならない叫びを上げ、呆然とする。狩野は素早く周りを見渡す。幸い誰もいない。防犯カメラもここにはない。
『よし、誤魔化せる…。』
狩野がそう考えた時に、人の声が聞こえてきた。狩野は慌てて晴香との位置を変わる。割れた壺の近くに立ち、わざと大きな声で言う。
「あ〜あ、やっちまった~。やべぇ…。」
晴香は呆然としたまま、狩野がすることを見てるだけである。その時、バタバタと足首がして、ランニングを終えたばかりの美夜とコンシェルジュの高城が早足でこっちに来る。
「どうされましたか?」
高城が鋭く質問してくる。晴香が目を泳がせるが、機先を制して狩野がそれに対して答える。
「いや〜、うっかりして割ってしまいました。すみません。」
「ええ、言ったら旦那さんはまた気を使われるでしょう?それより、秘密にしていたほうが私も楽ですし。」
「あ、ありがとうございます!助かります!」
「気にしないでください。同じマンションの住民じゃないですか。本来、助け合うべきなんですから。それに伊藤さんのほうが先輩ですし。」
「そんな…先輩だなんて…。狩野さんは…おいくつなんですか…?」
「私ですか?私は27歳です。伊藤さんは?」
「さ、32歳です…。」
「なら、私より年上ですし、気楽に話してください。敬語もいらないですよ?」
「そういうわけには…。」
「まぁ、無理にとは言いませんよ。でも、上の階の人間と親しくすること自体は問題ないはずですし。気楽にね?」
「はい…。ありがとうございます。」
そういうことがあり、晴香の狩野に対する態度は柔らかいものへと変化していた。晴香がマンションの掃除などをしている時はさり気なく手伝ってやったりもした。
そんな風にして、狩野がマンションに引っ越してきてから1ヶ月がたった頃にそれは起きた。
狩野が朝のランニングを終えて、マンションに戻って来た時であった。そこでばったり晴香と出会った。晴香は1階の廊下を掃除しているところだった。晴香は狩野に気がつくと、挨拶するために慌てて立ち上がる。その拍子に側に置いてある壺を置いた小さなテーブルにぶつかる。
グラっと壺が揺れ、そのまま床に落ちる。
「あっ…!」
狩野が手を伸ばしたところで、届かない。ガシャンという音ともに壺が割れる。
「あっ…!あぁっ…。」
晴香が言葉にならない叫びを上げ、呆然とする。狩野は素早く周りを見渡す。幸い誰もいない。防犯カメラもここにはない。
『よし、誤魔化せる…。』
狩野がそう考えた時に、人の声が聞こえてきた。狩野は慌てて晴香との位置を変わる。割れた壺の近くに立ち、わざと大きな声で言う。
「あ〜あ、やっちまった~。やべぇ…。」
晴香は呆然としたまま、狩野がすることを見てるだけである。その時、バタバタと足首がして、ランニングを終えたばかりの美夜とコンシェルジュの高城が早足でこっちに来る。
「どうされましたか?」
高城が鋭く質問してくる。晴香が目を泳がせるが、機先を制して狩野がそれに対して答える。
「いや〜、うっかりして割ってしまいました。すみません。」

