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タワマン〜墜ちた女達〜
第4章 1人目〜伊藤晴香〜

「これは…。狩野さんが割られたのですか?けっこう高い壺ですが…?」
高城がジトッとした目で狩野を睨む。
「ええ…。すみません。伊藤さんが掃除されてて、気をきかして邪魔にならないように、どいたら当たってしまって…。ねっ、伊藤さん。」
「あっ…、あの…、は、はい。」
晴香は狩野に押し切られるように頷く。晴香が割ったとなれば旦那の立場が悪くなるのは明白だ。自分なら、弁償するだけで済む。高いものであっても数百万なら狩野は軽く払えてしまう。だからこそ自分が割ったと言ったのだ。晴香は呆然としながらも、狩野の言うことに従ってしまった。
美夜がそんな晴香に疑いの目を向ける。
「本当に狩野さんが割ったの?あなたが割ったみたいに顔色悪いけど?」
「あ、あの…私…びっくりして…。これ…とても高いものじゃ…?」
晴香は素直に思ってることを口にする。それが返って良かった。晴香はただ狩野が割った壺がとても高い物だと恐れ、びっくりしている様子に見える。
「あ〜、高城さん…。これ…いくらくらいですか?弁償します…。」
狩野は申し訳なさそうに高城に申し出る。
「そうですね…。一応、70万はしたかと。正確な数字は調べないとわかりませんが…。」
「あぁ…。なら、全然大丈夫です。もっと高い物に買い替えても…。」
「な、70…。全然大丈夫…?」
晴香は唖然として呟く。狩野がポンと70万出せることに驚く様子に、美夜も晴香の疑いを失くしたように言う。
「10階以上の方ならそれくらいはね…。でも、狩野さん、気をつけていただかないと…。新しい方がこのような粗相をされると。」
「もちろん、以後気をつけます。高城さん、正確な値段と、新しく置く壺の購入金額を教えて。さっき言ったように高い物に買い替えてもいいから。」
「わかりました。ただ私の判断だけでは動けませんので、上司の確認をとってからになります。少しお時間ください。午後までにはご連絡できると思います。」
「よろしく。では、片付けますね。柊さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。」
「ちゃんと弁償できて、謝罪も受けたので、問題ないですわ。では、高城、後はよろしく。」
「かしこまりました。」
高城が美夜に向かって深々とお辞儀する。颯爽とエレベーターに乗り込み、美夜の姿は見えなくなる。
狩野は内心ホッと一息つく。
高城がジトッとした目で狩野を睨む。
「ええ…。すみません。伊藤さんが掃除されてて、気をきかして邪魔にならないように、どいたら当たってしまって…。ねっ、伊藤さん。」
「あっ…、あの…、は、はい。」
晴香は狩野に押し切られるように頷く。晴香が割ったとなれば旦那の立場が悪くなるのは明白だ。自分なら、弁償するだけで済む。高いものであっても数百万なら狩野は軽く払えてしまう。だからこそ自分が割ったと言ったのだ。晴香は呆然としながらも、狩野の言うことに従ってしまった。
美夜がそんな晴香に疑いの目を向ける。
「本当に狩野さんが割ったの?あなたが割ったみたいに顔色悪いけど?」
「あ、あの…私…びっくりして…。これ…とても高いものじゃ…?」
晴香は素直に思ってることを口にする。それが返って良かった。晴香はただ狩野が割った壺がとても高い物だと恐れ、びっくりしている様子に見える。
「あ〜、高城さん…。これ…いくらくらいですか?弁償します…。」
狩野は申し訳なさそうに高城に申し出る。
「そうですね…。一応、70万はしたかと。正確な数字は調べないとわかりませんが…。」
「あぁ…。なら、全然大丈夫です。もっと高い物に買い替えても…。」
「な、70…。全然大丈夫…?」
晴香は唖然として呟く。狩野がポンと70万出せることに驚く様子に、美夜も晴香の疑いを失くしたように言う。
「10階以上の方ならそれくらいはね…。でも、狩野さん、気をつけていただかないと…。新しい方がこのような粗相をされると。」
「もちろん、以後気をつけます。高城さん、正確な値段と、新しく置く壺の購入金額を教えて。さっき言ったように高い物に買い替えてもいいから。」
「わかりました。ただ私の判断だけでは動けませんので、上司の確認をとってからになります。少しお時間ください。午後までにはご連絡できると思います。」
「よろしく。では、片付けますね。柊さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。」
「ちゃんと弁償できて、謝罪も受けたので、問題ないですわ。では、高城、後はよろしく。」
「かしこまりました。」
高城が美夜に向かって深々とお辞儀する。颯爽とエレベーターに乗り込み、美夜の姿は見えなくなる。
狩野は内心ホッと一息つく。

