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タワマン〜墜ちた女達〜
第21章 4人目〜椎名風花〜
温泉旅行から戻って来てからの狩野はただ礼奈達と淫欲の日々を送っていたわけではない。コスプレでの行為にのめり込みながらも、残るターゲットの風花、萌衣、美夜とのきっかけを探して動いていた。

探偵を使い、3人の身辺を探らせ報告を受ける。

「柊美夜。30歳。夫は大手飲食チェーンやIT企業の取締役を務める柊康二49歳。柊美夜自身も自分のアパレル会社などを経営しています。子どもはいません。夫婦仲は良いとは言えないようです。夫である康二はほとんどマンションには帰っておらず、仕事で各地を転々と動き回り、場所場所で愛人を抱え込んでいます。美夜の方はそれを承知していながら離婚しない完全な仮面夫婦ですね。しかしながら、美夜の方は浮ついた話は出て来ません。自身の会社もほとんど女性ばかりで、男が出入りする様子もありません。」

「そうか…。弱味になりそうなものはないか…。」

狩野が唸る。完全個室のバーで探偵が淡々と述べる報告に狩野は思案する。金でなんの事情も聞かずに他人のプライバシーを暴く探偵だ。狩野自身のことは何も伝えていないが、調べればわかるだろう。しかし、高い金を払っているので、裏切ることはないだろう。

「ただ、一点だけ…。もしかすると美夜はレズビアンである可能性があります。」

「ほう…?」

「定期的に自身の会社の特定の部下をマンションに泊まらせています。さらに何人かの取り引き先の女性が泊まったこともあります。明確な証拠はありませんが、可能性は高いのではないかと思います。」

「ふむ…。確かにレズビアンである可能性はあるな…。引き続き調査を頼む。」

「わかりました。それから蒲田萌衣。28歳。夫は大手メーカーの取締役である蒲田真司56歳。こちらの夫婦関係は良いのか悪いのか不明です。」

「不明…?」

「ええ、蒲田真司はかなりの女好きらしく、こちらも多々愛人がいます。しかし、妻である萌衣の元にも定期的に訪れています。別居しているわけではないようです。萌衣が蒲田の勤める会社に入社してからの関係のようで、そのまま結婚に至ったようです。しかし、萌衣の方はかなり特殊な性格のようで、友人関係にあるものが全くおらず、どういう経緯で蒲田に見初められたかもよくわからず、ある日、突然社長と結婚するとわかり、同僚達も驚いたようです。」

「かなり変わった性格だとは思ったが…そこまでとは…。」
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