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タワマン〜墜ちた女達〜
第21章 4人目〜椎名風花〜

狩野はしばらく咲希と恵里菜を相手にゆっくり酒を飲みながら、会話を楽しむ。咲希はコロコロ笑いながら、明るい笑顔で客を癒やすタイプ。恵里菜は落ち着いていて、知的な印象で会話を飽きさせない。
普段、4人の女性を自由にできる狩野だが、それでもこういった夜の蝶達に惹かれる部分はある。人妻とは違う色気を全面に出した女性達。
ただ手を出そうとは思わない。すでに晴香達でも手一杯な感じであり、風花、萌衣、美夜にも手を出す予定なのだ。さすがに余裕がない。
しかし、それ故下心がない狩野の様子を好ましく思ってくれるのか、咲希などはかなり狩野に懐いてくれて、落とせそうな感触を受ける。それすらも計算済みの言動かもしれないが…。
そんなことを思いつつ、会話をしていると、店内に人が入ってくる。風華だ。金持ちそうな男性を伴い、狩野の近くの席へ案内している。途中、狩野に気づき、ニコリと微笑む。
狩野に示したのはそれだけで、風華は同伴してきた男性と席につき、会話を始める。その様子を見ながら、狩野は咲希達に問いかける。
「最近、風華さん…どうかした?元気がないというか…、ちょっと覇気がないような…。」
「…あれだけでよく気づきますね…?」
咲希が拗ねたように言う。その言葉に『やはりそうか』と狩野は納得する。狩野に向けた風華の笑顔はどこか翳りがあった。事情を知らなければ狩野も見逃していただろう僅かな変化。
「少し体調が優れないみたいです。無理しないでほしいですけど。」
恵里菜がフォローするように言う。
「そうなんだ。じゃあ、今度元気が出るものをお土産に買って来ようかな。咲希ちゃん、恵里菜さんにももちろん用意するけど。」
「あら、本当ですか…?嬉しいです♡」
咲希達と風華についての話をしたのはそれだけだ。だが、狩野はほぼ確信していた。風花が父親の横領について知っているだろうと。No.1ホステスである風花が客に胸の内を悟らせるような雰囲気を出してしまうというのは、よほどのことである。それが大きな金が絡む身内のことであれば仕方ないことではあるが。
しばらくして、狩野がそろそろ帰ろうかと言う時に、一足早く風華の同伴相手が帰る。風華はそれを見送った後に狩野の席へやって来る。
「狩野さん、いらっしゃい。また来てくださって嬉しいわ。」
「また風華さんに会えないかと思いましたよ。」
普段、4人の女性を自由にできる狩野だが、それでもこういった夜の蝶達に惹かれる部分はある。人妻とは違う色気を全面に出した女性達。
ただ手を出そうとは思わない。すでに晴香達でも手一杯な感じであり、風花、萌衣、美夜にも手を出す予定なのだ。さすがに余裕がない。
しかし、それ故下心がない狩野の様子を好ましく思ってくれるのか、咲希などはかなり狩野に懐いてくれて、落とせそうな感触を受ける。それすらも計算済みの言動かもしれないが…。
そんなことを思いつつ、会話をしていると、店内に人が入ってくる。風華だ。金持ちそうな男性を伴い、狩野の近くの席へ案内している。途中、狩野に気づき、ニコリと微笑む。
狩野に示したのはそれだけで、風華は同伴してきた男性と席につき、会話を始める。その様子を見ながら、狩野は咲希達に問いかける。
「最近、風華さん…どうかした?元気がないというか…、ちょっと覇気がないような…。」
「…あれだけでよく気づきますね…?」
咲希が拗ねたように言う。その言葉に『やはりそうか』と狩野は納得する。狩野に向けた風華の笑顔はどこか翳りがあった。事情を知らなければ狩野も見逃していただろう僅かな変化。
「少し体調が優れないみたいです。無理しないでほしいですけど。」
恵里菜がフォローするように言う。
「そうなんだ。じゃあ、今度元気が出るものをお土産に買って来ようかな。咲希ちゃん、恵里菜さんにももちろん用意するけど。」
「あら、本当ですか…?嬉しいです♡」
咲希達と風華についての話をしたのはそれだけだ。だが、狩野はほぼ確信していた。風花が父親の横領について知っているだろうと。No.1ホステスである風花が客に胸の内を悟らせるような雰囲気を出してしまうというのは、よほどのことである。それが大きな金が絡む身内のことであれば仕方ないことではあるが。
しばらくして、狩野がそろそろ帰ろうかと言う時に、一足早く風華の同伴相手が帰る。風華はそれを見送った後に狩野の席へやって来る。
「狩野さん、いらっしゃい。また来てくださって嬉しいわ。」
「また風華さんに会えないかと思いましたよ。」

