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タワマン〜墜ちた女達〜
第21章 4人目〜椎名風花〜
「その割には咲希ちゃん達と楽しく話してたみたいですけど?」

「いいお店ですね。誰と話しても楽しい時間が過ごせるから。」

「まあ、上手いことおっしゃること。」

朗らかに笑っているが、少し疲れているようにも見える。

「風華さん、お疲れのようだから、今度来た時は何か甘いものでも、また買って来ますね。」

「あらあら、お気を使わせて、すみません。私は全然大丈夫ですよ?」

「まあ、そう言わずに。女性の前では良い格好したいだけですから。」

狩野もにっこり笑い返す。風花は狩野の意図を組んで了承してくれる。

「ありがとうございます。お気遣いいただき。今後も…ご贔屓にしてくださいね。」

『今後も』でやや風花の言葉が詰まったと感じたのは気の所為だろうか。狩野は気になったが、特に言及することなく、その日は店を後にした。風花の現状は理解したつもりだ。
あとは計画、実行するのみ。そこまでの段階に来ていた。


3週間後、その日、狩野はマンションのトレーニングルームにいた。時刻は午後14時。トレーニングに精を出すわけではなく、ゆっくりと体を動かしていた。すでにトレーニングルームに来て1時間。トレーニング自体が目的ではない狩野にとって、焦れったい時間が過ぎる。

『今日は無理か…?』

狩野がそう考え始めた時にトレーニングルームの扉が開き、風花が入ってくる。風花はすぐに狩野に気づく。一瞬躊躇ったように見えたが、風花はそのまま狩野に近づく。

「こんにちは。この前はありがとうございました。」

「いえいえ。こちらこそ楽しい時間でした。」

「そう狩野さんが言ってたと、咲希や恵里菜にも伝えておきますね。」

いつもならトレーニングルームで会う時は風花はもっとくだけた口調だが、今日はお店の時のように硬い。しかも、風花の顔色は明らかに悪い。

「大丈夫ですか?顔色が悪いみたいですけど…?」

「ええ…、ちょっと疲れてて…。でも大丈夫です。疲れを吹き飛ばすために、トレーニングしようと来たので…。」

無理に強がり、笑顔を見せる風花。その痛々しい雰囲気に狩野はいたたまれなく感じる。
信頼していた愛する家族が多額の金を横領し、首が回らなくなっているのだ。風花はその穴埋めを手伝っているようで、かなりクラブでの営業に精を出し、同伴なども積極的にしているようだと、探偵から報告を受けている。
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