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第21章 ４人目〜椎名風花〜

「父には…パトロンの人達からなんとかかき集めたと言ってあるわ…。もしかすると、愛人契約したかなんて…考えてるかもしれないけど…何も言われなかったわ…。」

風花が少しだけ悲しそうな表情になる。愛する娘が自分の借金のため、誰かに抱かれる。非情だが、自分が招いた悲劇だ。それゆえ、父親もそんなことをするなとも言えなかったのだろう。

「私も聞いてもいいかしら…？」

「何でしょう…？」

「この項目…。狩野さんが、他の女性と何しても私は文句が言えないという項目…。狩野さんにはすでにそういう女性がいるの…？もちろん、それに対して何も言うつもりはないけれど…。これからのために知っておいたほうが良いかと思って…。」

風花が尋ねてくる。風花にはマンション内の女性を墜とすと明言した。風花はマンション内にすでに同じような女性がいるか気になるところであろう。

すでに風花がサインしているので、狩野は包み隠さずに言う。

「そうですね…。いますよ。このマンションに住む伊藤晴香、湯中真千子、コンシェルジュの高城礼奈。そして、以前一緒にお店に行った二宮紗綾。定期的に抱いているのはこの４人です。あなたは５人目の女性です。」

「４人…！？高城さんまで…？」

予想以上の多さと、男を寄せ付けない雰囲気の礼奈が含まれていることに驚く。「定期的に」ということは他にも女性がいる可能性もある。一見、普通の男性である狩野が４人もの女性を抱いているとは風花の想像外だった。

「後で身を持って知ることになると思いますが、俺の性欲は異常に強くてね…。一晩に何回もするし、毎日する。日替わりで４人を抱いてもまだ満足できないほどにね…。」

「そこまで…。人は見かけによらないものね…。狩野さんがすでにこのマンションでそこまで手を伸ばしてるなんて…。」

「ふっ…。そうだな。ここに引っ越してくるまでは自分でもこんな風になるなんて思ってもみなかったし。だから、最初の１ヶ月くらいは頻繁にあなたを求めるかもしれないが、その後は基本的に他の４人と予定を調整してになるので、週１〜２で会うくらいになるだろう。」

「わかりました…。最初に言っておきますけど…。私は…その…あまり男性経験がないわ…。処女ではないけど…。付き合った男性も少ないし…、狩野さんを満足させられるかはわからないわよ…？」

風花が少しだけ照れくさそうに言う。