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タワマン〜墜ちた女達〜
第21章 4人目〜椎名風花〜
言っても風花はまだ26歳。早くからホステスとして働き、No.1ホステスとして働き、数々の男達を手玉にとってきたが、実際に男性経験は少ない。よっぽど真千子のほうが豊富であろう。天性のコミニュケーション力で仕事してきたに過ぎない。

「そこら辺は気にしない。俺は…言ってしまえばあなたを自由にできる権利が欲しかっただけ。あなたがサインしたことで、目的のほとんどが達成している。もちろん、抱かないということはないが…。最終的には蒲田萌衣、柊美夜も手に入れるつもりだからな…。」

「萌衣さんや…柊さんまで…?あの2人は…既婚者…。でも…そうね…。すでに伊藤さんや湯中さんを…。ただ…あの2人は難しいと思うけど…。どちらも男性嫌いのようだし…。」

「そのようだな…。まあ、その辺は追々やってくさ…。さて、これで手続きは完了だ…。」

「ありがとうございます。確かに2億、いただきました。今から私はあなたの愛人ね…。」

風花の瞳には若干の揺らぎがあるが、それだけだ。もうすでに決意を固めた強い意志がある。

「それで…どうされますか…?今日…。今から…ここで?」

男性経験が少なく少し恥ずかしいのだろう。頬を少し赤らめながら風花が聞いてくる。

「いや…、場所は変えたい…。風花の部屋は使えるか…?」

早速、風花を呼び捨てする。ピクリとその言葉に反応するが、平静を装う。

「私の部屋ですか…?構いませんが…。」

「なら、今晩、行かせてもらおう。今日、明日は仕事は…?」

「今日はお休みを取ってます。明日は出勤ですが。」

「夜からだから大丈夫かな…。では、今晩19時に行く。それから…、その時はお店で着る服でお願いしたいんだが、いいかな?」

「お店の…衣装ですか…?…わかりました。」

狩野の提案に躊躇いながらも了承する風花。狩野はお願いという形で言ったが、風花には拒否権はない。それでも、お願いという形にしたのは衣装が自宅にあるのかどうかわからなかったにすぎない。風花が了承したということはあるのだろう。

狩野と風花はそれぞれ書類をまとめて、部屋を出る。

「では19時に。」

「はい。」

「ああ、それから…。今日は寝られないと思いますので、明日の仕事に影響がないように身体を休めておいてくださいね?」

「…はい。わかりました…。」

訝しげな表情の風花を残し、狩野は部屋に戻る。
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