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タワマン〜墜ちた女達〜
第2章 引っ越し〜住民会議
「いや、でも…。湯中さんも若いのに、ここに住んでるじゃないですか…。変わらないですよ。」

孝宏が取り繕うように言う。湯中はため息と一緒に言葉を返して来る。

「うちは…主人がね…。15歳上の年の差婚だから…。40代だからね〜。まあ、おかげで結婚して、すぐここを買ってくれたんだけど。」

「そ、そうですか…。」

若干、不満そうな湯中に孝宏は曖昧にしか返事しかできない。

「それはそうと、狩野さんは一人暮らしなら、来週の集まりに出れるの?ここの住民がいろいろ話し合う会議があるんだけど…。平日だけど大丈夫?出ないと住民同士の関係で損するわよ?」

湯中は思い出したように狩野に問う。

「会議…?住民同士の…。確かにそれは出ないとマズそうですね。」

「そうね。やっぱりここ、お金持ち多いし、いろいろとね…。」

湯中は声を潜めるように言う。狩野はまあ、そういうこともあるだろうと予想はついたので、気楽に言う。

「大丈夫です。実は両親失くしたばかりでして…。仕事も一旦退職したばかりなので。当分は時間ありますから。」

「あらら…。そうでしたか…。たぶんコンシェルジュからお知らせがありますよ。」

「ありがとうございます。では、失礼します。」

狩野は頃合いと見て、会話を切り上げる。

「いえいえ、こちらこそ。これ、ありがとうございます。」

湯中が受け取った箱を軽く掲げる。互いに会釈しながら、狩野は自分の部屋に戻る。

「きれいな女性だったな…。まあ、金もあるし…、すぐ俺にもあんな美人が…。」

ベッドに寝転びながら狩野は呟く。狩野は今まで1流ではあるが、かなりブラックな企業で働いていて、彼女を作る余裕さえなかった。いつかこのブラックな会社から抜け出したいと始めた株が当たり、両親を失くしたが、時間も金も有り余る生活がこれから待っているのだ。狩野の頬は思わず緩む。

そうして、部屋の片付けやら、各種手続きの書類書きに精を出していた狩野は翌週になって、タワマンの中心にある会議室を訪れた。湯中が言っていた住民の集まりに顔を出すためだ。
あの後、湯中の予告通り、マンションのコンシェルジュからメールが送られてきて、出席か否かを聞かれた。狩野は出席の意志を伝えると、コンシェルジュから今回の議題や、今までの会議の様子などの説明が丁寧に送られてくる。この辺りはさすがのタワマン仕様だ。
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