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タワマン〜墜ちた女達〜
第28章 6人目〜柊美夜〜
「あなた達…!こんなところで何してるのっ!?」

美夜は目の前の光景に驚愕しながら、声を張り上げる。自分が目をつけ、自分の会社に引き抜きまでした恵美が、唯一、心許せる恋人と思う恵美が、自分の前で、男性とイチャついているのだ。美夜はショックで目の前が暗くなりかける。

狩野は恵美を抱き締めたまま、ゆっくりと美夜の方を振り返る。

「柊さん…。すみません。ちょっと飲み過ぎたみたいで…。」

「狩野さん…。あなたは飲み過ぎたから、我が社の社員に手を出すの…?」

かなりの怒気を含んだ声で美夜が言う。

「手を出すというか…、一応…恵美さんとは相思相愛のつもりですけど…ねっ?」

狩野は美夜の怒気に怯むことなく、腕の中にいる恵美に声をかける。

「えっ…!?う…うん…。」

狩野の言葉に恵美が頷いてしまうと、美夜の怒りがさらに激しくなる。

「なっ…!何を言って…!?え…恵美は…私の…!」

「おや?柊さんは社員の恋愛にも口を出されるんですか?」

美夜が言いかけた言葉を制し、狩野が問う。

「くっ…!わ…私は…。」

「私も恵美さんも独身ですから、付き合ったりすることには何の問題もないはずで…。今日のパーティーもそういう意図があったのでは?」

「た…確かにそうだけど…!え、恵美は…違う…。」

普段、毅然とし、女王様を気取る美夜の狼狽した姿が面白い。狩野は薄ら笑いを浮かべて言う。

「ん?恵美さんはなぜ違うんですか?」

「そ、それは…。え…恵美は…。」

美夜が言いかけた時にパーティールームの扉がノックされる。ドアが少しだけ開き、礼奈が顔を覗かせる。

「申し訳ありません。美夜様。そろそろこちらを閉めたいのですが…。よろしいでしょうか?」

「あ…。わかったわ…。少し待っててちょうだい…。すぐ出るわ…。」

「承知いたしました。」

礼奈は顔を引っ込め、扉を閉じる。再び3人だけの状況になる。

「ここはすぐに閉めなきゃいけないから…、狩野さん…、それから恵美も…。私の部屋に来て…。そこで話しましょう。」

有無を言わさぬ迫力で美夜が狩野を睨み付けるようにして言う。

「わかりました。まぁ、私は時間があるので…。どこで話そうが、構いませんよ…。恵美さんも…行きましょうか。」

「は…はい…。」

狩野は余裕の笑みを崩さない。全ては狩野の計算通りに事が進んでいるのである。
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