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タワマン〜墜ちた女達〜
第28章 6人目〜柊美夜〜

恵美は暫しの間、俯き黙っていたが、やがて顔を上げ、口を開く。
「ごめんなさい…。美夜…。私…もう…狩野さんに抱かれたの…。狩野さんに抱かれて…女の本当の喜びを知ったの…。美夜といる時より楽しくて…安心できて…気持ち良かった…。」
「えっ…!?だ…抱かれた…?あなた…いつの間に…?」
恵美の話に事態が飲み込めない美夜。愕然と、呆然と、狩野と恵美を見比べる。
「この間、恵美さんと私は一晩愛し合いましたよ。朝までたくさんね…?」
「そ…そんな…。恵美っ…!ひ…ひどいわ…!わ、私を…捨てるのっ…!」
美夜はペタリと座り込んでしまう。自分の信じていた人が、自分の心の拠り所になる人が、すでに他人に抱かれていた。美夜にとっては立っていられないくらいの衝撃だった。
「そんな…。そんな…。私は…。私…どうすれば…。」
ポロポロ涙を流す美夜。こうして見ると、女王様然とした美夜がまるで少女のように見える。
美夜は正真正銘の箱入り娘だった。小さい頃から何不自由ない暮らし。ピアノ、ヴァイオリン、バレエ、茶道などあらゆる習い事をさせてもらい、国内、海外問わず、簡単に旅行に行かせてもらえ、ほしいものは何でも買ってもらえた。
小さい頃から美しい容姿であった美夜。成績優秀な美夜は周りからチヤホヤされるのにも慣れきっていた。男性、女性問わず、多くの人から告白される身。
そんな中で美夜は中学校から大学まで何人かの男性とも付き合った。美夜にとってはあくまでもプラトニックな恋愛で肉体関係など考えもしなかった。相手の男性は美夜を抱きたいと思っても、大企業の娘である美夜においそれと手を出すことができなかった。
そうこうしている内に美夜が大学を卒業することを機に結婚話が持ち上がる。昔ながらの大企業。いくら美夜が優秀であっても大企業の跡取りとしては考えられていなかった。美夜自身もこの時は跡取りになりたいなど考えてもいなかった。
相手は若いが社内でも評判のやり手。スポーツ万能で営業成績もトップ。このままいけばやがて社長にもなれるだろうという逸材だった。
見た目もイケメンだったこともあった。優しさに溢れた男性だと思った。その頃の美夜は人の裏切りを知らない純粋無垢な女性であった。結婚に関しても白馬の王子様が来てくれるくらいの幼い認識だったのだ。
トントン拍子に話が進み、盛大な式が開かれた。
「ごめんなさい…。美夜…。私…もう…狩野さんに抱かれたの…。狩野さんに抱かれて…女の本当の喜びを知ったの…。美夜といる時より楽しくて…安心できて…気持ち良かった…。」
「えっ…!?だ…抱かれた…?あなた…いつの間に…?」
恵美の話に事態が飲み込めない美夜。愕然と、呆然と、狩野と恵美を見比べる。
「この間、恵美さんと私は一晩愛し合いましたよ。朝までたくさんね…?」
「そ…そんな…。恵美っ…!ひ…ひどいわ…!わ、私を…捨てるのっ…!」
美夜はペタリと座り込んでしまう。自分の信じていた人が、自分の心の拠り所になる人が、すでに他人に抱かれていた。美夜にとっては立っていられないくらいの衝撃だった。
「そんな…。そんな…。私は…。私…どうすれば…。」
ポロポロ涙を流す美夜。こうして見ると、女王様然とした美夜がまるで少女のように見える。
美夜は正真正銘の箱入り娘だった。小さい頃から何不自由ない暮らし。ピアノ、ヴァイオリン、バレエ、茶道などあらゆる習い事をさせてもらい、国内、海外問わず、簡単に旅行に行かせてもらえ、ほしいものは何でも買ってもらえた。
小さい頃から美しい容姿であった美夜。成績優秀な美夜は周りからチヤホヤされるのにも慣れきっていた。男性、女性問わず、多くの人から告白される身。
そんな中で美夜は中学校から大学まで何人かの男性とも付き合った。美夜にとってはあくまでもプラトニックな恋愛で肉体関係など考えもしなかった。相手の男性は美夜を抱きたいと思っても、大企業の娘である美夜においそれと手を出すことができなかった。
そうこうしている内に美夜が大学を卒業することを機に結婚話が持ち上がる。昔ながらの大企業。いくら美夜が優秀であっても大企業の跡取りとしては考えられていなかった。美夜自身もこの時は跡取りになりたいなど考えてもいなかった。
相手は若いが社内でも評判のやり手。スポーツ万能で営業成績もトップ。このままいけばやがて社長にもなれるだろうという逸材だった。
見た目もイケメンだったこともあった。優しさに溢れた男性だと思った。その頃の美夜は人の裏切りを知らない純粋無垢な女性であった。結婚に関しても白馬の王子様が来てくれるくらいの幼い認識だったのだ。
トントン拍子に話が進み、盛大な式が開かれた。

