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タワマン〜墜ちた女達〜
第29章 狩野の日常⑤
「そうか。じゃあ…。」

「でも…。礼奈が聞きたいのはそういうことじゃないんでしょ…?」

早速4人で楽しもうと言いかけた狩野の言葉を風花が遮る。
風花の言葉に礼奈が頷く。

「そうですね…。私が聞きたいのは目的を達成した狩野様が、次はどのような目的をお持ちなのか、お聞きしたいです。これで終わりなのか…。それとも次があるのか…。」

「俺のこれからの目的か…?」

「私も聞きたいわ…。孝宏がどうしたいかで、私達の行動も変わってくるもの…。」

「わ…私も…聞きたい…。私達の関係に影響すると思うから…。」

「ふむ…。これからか…。」

風花と萌衣もそれぞれ催促してくる。狩野はどう答えたものかと思案する。狩野の胸の内を聞きたくて、3人ともジッと狩野を見つめてくる。狩野はじっくりと時間をかけた後、ようやく口を開く。

「俺のこれからの目的は…。うん、まだ秘密だな…。」

「え〜!何よそれ〜?」

風花が不満気な声を上げる。礼奈は小首をかしげ、再度問いかけてくる。

「まだ秘密…ということは、狩野様には何かしら、新たな目的があり、いずれは私達にも教えていただけると思っていいのですか…?」

「ああ、そうだな…。今はまだ漠然とした考えで、明確になっていない。それに話すなら…皆が揃ってる時がいいだろう…?もう少し考えがまとまって、皆が集まった時に言うさ…。それまではまだ秘密にしておこう。」

「わかりました。」

「そうね…。私達だけ聞いても悪いものね…。」

「で…でも…美夜さんも含めて、皆集まれる機会ってあるのかしら…?」

礼奈と風花は納得したように頷き、萌衣は新たな疑問を投げかける。同じマンションに住むとは言え、半数が人妻なのだ。皆で抱かれるとなればかなりの時間が必要になる。それこそ丸一日、泊まりが確定する。それだけの時間を皆で合わせるのはなかなかに難しい。

「ああ、確かにな…。ただ…美夜をもう少し手懐けたら、出来ると思うぞ…?美夜主催のパーティーと言って、呼び出せばいい。晴香や真千子、それに萌衣の旦那もそれであれば何も言わないだろう?」

「なるほど…。美夜がマンションの女性を集めて開くホームパーティー。美夜の名前で出せば、違和感はないわね…。晴香さんの旦那さんは喜ぶだろうし…。真千子さんのところも文句は出ないと思うわ…。」

「そうですね…。」
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