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第29章 狩野の日常⑤

狩野と風花の言葉に礼奈も同意する。

「美夜様のパーティーに風花さんや萌衣様がいるのは当然と思われますし、そこにコンシェルジュの私がいるのも違和感はありません。他の高層階の方は若い美夜様とはあまりお付き合いもありませんし…。このメンバーで集まっても、不審感は持たれないと思います。」

全員が問題ないと考えを一致させる。

「よし、後は美夜との関係をもう少し深めたら実行する。まだ美夜は恵美と２人じゃないとダメそうだからな…。もう少し時間がかかるだろうが…。３人の誰かとまずは一緒に過ごす時間を作るかな…。」

「それなら、やはり萌衣様かと…。」

「１番仲がいいと言えるのは私ですかね…？美夜さん、私と夫の関係を知って、かなり同情してくれているので…。」

「なるほどな…。それで…。」

タイプの違う美夜と萌衣が一緒にいることが多いのは高層階に住んでる以外にそういう理由があったのだ。

「さてと…。話はこれで終わりだな…。後は…。なんで…軽く逃げ腰なんだ…？３人とも…？」

狩野が話が終わりと言った瞬間、３人とも少し腰が引けている。不思議に思って狩野が聞く。

「い…いや…、それはぁ…。」

「そ…そんな…逃げ腰なんて…。」

萌衣と礼奈が慌てて否定するが、様子はやはりおかしい。真ん中に座る風花がため息をつく。

「孝宏がその目になった時はかなりヤバいから…。私達はちょっと覚悟しないといけないから…。」

風花はすでに何かを諦めたかのように言う。

「…？…目がどうかしたか…？」

意味がよくわからない狩野は自分の顔を撫でる。風花は首を振って再び言う。

「自分で気づいてないの…？コスプレした時もそうだったけど…孝宏が私達を朝まで無茶苦茶にするときは必ずその目になってるのよ…？孝宏…今、めちゃくちゃ興奮してるでしょう…？」

「んっ…？ああ…、そうだな…。目的を達成出来たし…。充実感もあるからな…。」

「そういう時の孝宏は…私達を…めちゃくちゃ虐めるから…。２人とも…逃げ腰になるわよ…。」

「その目の時の狩野様は…少し怖いので…。」

「うん…。た…孝宏がその目の時は…私達…足腰立たなくなるくらいするから…。」

口々に訴える３人。どうやら狩野が異常に興奮している時の目になっているらしい。

「わ…私は…明日も朝から仕事なので…。お手柔らかにお願いしたいんですが…。」