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タワマン〜墜ちた女達〜
第5章 狩野の日常
狩野の前に立った風花の立ち姿は様になっている。金髪に目鼻立ちが大きい美人。美夜も同じように派手だが、美夜は上品さが増し、社交界の華を思わせるが、風花は夜の蝶の雰囲気である。ぴったりとしたピンクのトレーニングウェアを着ていて、そのスタイルの良さがわかる。先日見た美夜や萌衣に引けを取らない身体である。

「申し訳ありませんが、ジロジロ見ないでもらえますか?集中できないので…。」

風花が言い方は優しげだが、視線は高圧的に狩野に言う。

「あっ、いや…。ジロジロ見てたわけじゃ…。」

「お店で見られるのには慣れてますが、プライベートでそんな風に見られるのは、ちょっとね…。」

風花は狩野の言い訳を聞き流し、ジロリと睨む。しかし、狩野は別のことが引っかかる。

「お店…?あっ…。もしかして…。」

狩野があることを思い出し、声を上げる。その反応に風花は意外そうに首をかしげる。

「あら?その反応…。私のことご存知なのかしら…?」

狩野の前にあらかじめ用意していたかのようにピッと名刺が差し出される。狩野は反射的にそれを受け取る。名刺に目を落とす。

【CLUB Cheek 楓華】

高級ナイトクラブで有名なお店の名刺。字が違うが風花の名前であろう楓華という名前。それを見て、ようやく狩野も合点がいく。

「ああ、あなたが楓華さんだったのか…。」

狩野の呟きに、ますます風花が首をかしげる。

「あら?本当に私のこと、ご存知?お店に来た方はだいたい顔を覚えているつもりだけど…。」

狩野を見た記憶がない風花。職業柄、さらにNo.1に登り詰める風花は記憶力に関しては抜群であるが、会った記憶はないのだ。

「あ、いや…。お店には何度か…。でも、貴女には会えなかったんだよなぁ…。」

昔を思い出すように狩野はため息をつく。不思議そうな風花に狩野は説明する。

「以前、働いていた会社の接待とかでお店に行く機会はあったんですよ…。でも、3回だったかな…。3回行って、3回とも貴女が病気やらなんやらでたまたま全部お休みされてたんですよ…。それで周りからは『お前と行くと楓華さんに会えない』って言われて…。結局、誘われなくなったし、会社辞めたしで会えなかったんですよね〜。」

「あぁっ…。もしかして…。前、お勤めされてたのはどちらの会社?」

今度は風花が何かを思い出したように聞いてくる。
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