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第30章 最上階での宴

それは他のメンバーも同じ。何があっても狩野に着いていく。皆、そういう気持ちではあるのだ。地獄に、泥沼に墜ちる恐怖はあっても、飛び込む覚悟は出来ている。

そんな３人の答えを聞いて、狩野は満足気に頷く。そして、手を伸ばし、用意していた封筒を取り出し、中身を取り出す。

「「これはっ…！？」」

幾人かが驚きの声を上げる。中身は晴香、真千子、萌衣、美夜の４人の夫についての探偵に調べてもらった報告書である。

「勝手だが、４人の旦那のことを調べさせてもらった…。まあ、４人が４人とも…なかなかのことをしてくれている。浮気…。会社の金の横領。会社の不正な取り引き。潔白な男は誰もいなかったよ…。」

浮気の現場写真や横領、不正に関する書類がかなりの量に及ぶ。

「もし…。皆が新しいマンションに来てくれるつもりなら、これを使って、交渉する。それぞれ旦那の社会的立場は高い。離婚が難しい場合もあるだろうが…、確実に別居は了承してもらえるように持っていく。どうだろうか…？着いてきてくれるか…？」

狩野の願いを聞いて、全員が一旦、黙り込む。しかし、すぐに晴香が口を開く。

「わ…私は…孝宏さんに着いていきます！家庭が無茶苦茶になってもいい…。もう…私は…私の心も身体も…全部…孝宏さんのもの…。孝宏さんがいない生活なんて…考えられないから…。」

涙を浮かべ、狩野に気持ちを伝える晴香。そんな晴香に触発されたように、次々と皆が口を開く。

「狩野様…。私も、狩野様に着いていきます。私はすでに公私共に狩野様の専属コンシェルジュ。狩野様が行かれるところにはどこでも着いていきます。」

「私も…孝宏に着いていくわ…。私は結婚してないし…。父が帰って来るときだけ、ここにいればいいから。ここと新しいマンション。２つの生活場が出来るだけだし…。」

礼奈に続き、風花が答える。

「私も…特に問題はないわ…。あとは恵美が了承してくれれば文句はないわ…。」

美夜もあっさりと了承する。残るは真千子と萌衣。真千子が先に口を開く。

「ご主人様…。私は…ご主人様の奴隷。全てをご主人様に捧げると決めています。ご主人様が望むなら、どこにでも…。」

「よし、真千子…。素晴らしい覚悟だ…。一緒に来い！」

狩野は真千子が望む意思を汲み取り、命令する。

「は…はい…！行きます！」

嬉しそうに答える真千子。