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タワマン〜墜ちた女達〜
第5章 狩野の日常
未だジト目の冷たい視線の高城に対して、狩野は敢えて冗談を言ってみる。

「一緒に泳ぐ?」

「生憎、水着を持っていませんが…。狩野さんは私に全裸で泳がせようと?そんな変態なご趣味をお持ちでしたか?どうしてもと言うなら、ご一緒しますが、住民の皆様には裸で一緒に泳がされたと報告しておきますね。」

ジト目がさらに細くなり、一気に捲し立てる高城に、狩野は降参の意味で両手を上げる。

「ちょっとした冗談なのに…。そんな変態なことしませんよ…。高城さんが全裸で泳ぐなら、そりゃ綺麗で目を奪われてトレーニングにならないだろうし。」

「なっ!?何を…?」

狩野がストレートに高城を褒めたことで、誤魔化してくると予想していた高城は言葉に詰まる。

「で、1時間後、終わったら、鍵はどうすれば?」

敢えて高城の反応を無視して、狩野は聞く。

「あっ、1時間後に私がまた来ます。もし、早く上がられるなら、メールにてお知らせください。」

自分が言葉に詰まったことを悔しそうにしながら、高城はなんとか返事をする。

「わかった~。」

狩野は高城の言葉に手を振って応え、更衣室に向かう。その後ろ姿に一礼しながら高城の口元には笑みが浮かぶ。あまりここの住民は好きになれないが、普通の感覚というか、妙に偉ぶることもない狩野は、高城にとっても印象が良い。軽く冗談が言えるくらいには。

高城は踵を返し、ドアに向かう。迎えに来る1時間後までの仕事を考えながら。ドアを開けたところにちょうど蒲田萌衣が立っていた。

「蒲田様…。いかがなされました?」

トレーニングウェアに身を包んだ萌衣はうっすら汗をかいている。その様子は同性から見ても美しい。

「トレーニングで汗かいたから泳ぎたかったのだけど、誰か使用中?」

「あっ、はい。20階の狩野さんが。」

高城はこのマンションの決まりで美夜と萌衣だけ様付けで、他の住民はさん付けで呼ぶ。

「ああ…。あの人…。」

高城の言葉に一瞬考えた萌衣は高城に言う。

「まあ…いいわ。使わせてもらうわよ。」

「はい。では、狩野さんに空けてもらうように伝えて参ります。」

「ああ、それもいいわ。私は気にしないから。待つのも面倒。」

そう言って萌衣は部屋に入っていく。上階の人間がいいと言えば、高城には何も言えない。冷たいクールな萌衣と一緒になることになる狩野に軽く同情する。
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