この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
タワマン〜墜ちた女達〜
第5章 狩野の日常
狩野は萌衣の言葉に苛立ちが混じるのを感じたのだ。自分の言うことにすぐに従わないことへの苛立ちだろうと狩野は推測する。自分が構わないと言っているのに狩野が上がろうとするのが、逆に許せないといったところであろうか。
これ以上、上階の人間の機嫌を悪くするのは得策ではないと考えた狩野は素直に従う。

その様子に満足したのか、萌衣はプールサイドでストレッチを始める。それを見てしまうと、下半身がヤバいので、狩野は慌てて、泳ぎを再開する。
25mを泳ぎ、立ち上がった狩野の目にきれいなフォームで飛び込む萌衣の姿が写る。速い。なかなかのスピードで進んで行く。男性の狩野とあまり変わらないスピードだ。
狩野は自分も泳ぎに集中するため、ゴーグルを付け直し、泳ぐ。
しばらくの間、二人は黙々と泳ぐ。やがて、たまたま並んで泳ぐタイミングが出てきた。レーンを一つ空けて泳いでいるが、斜め後ろから萌衣が近づいて来るのがわかる。

狩野は反射的に追いつかれまいとスピードを上げる。すると、萌衣がさらにスピードを上げ、横並びになる。意地になって狩野が抜かれまいと必死に泳ぐ。なんとか僅かの差で狩野が壁にタッチする。

「ぷはぁっ!はぁっ…。はぁっ…。ふぅっ…。」

狩野が水面から顔を上げ、荒い息をつくと、レーンの向こうでやはり荒い息を吐きながら、不満気に口を顰めた萌衣がいた。ゴーグルのせいで、はっきりわからないが、狩野に負けたのが悔しいのだろう。
萌衣がアゴでクイッと向こう側を示す。もう1度勝負と言いたいのだろう。
それにのせられた狩野が構える。横目で萌衣を確認すると、萌衣も構え直したところだ。
誰の合図もないが、息を合わせてほぼ同時にスタートする。

25mの短い勝負では泳ぎのスムーズな萌衣のほうが速かった。僅かに遅れて顔を上げた狩野に萌衣がフフンとばかりに口元に笑みを浮かべる。

その様子にイラッときた狩野は指で往復の50mを示す。その間に息を整える。萌衣も喋らずに頷くだけだ。

再び構えた二人は同時にスタートする。25mのターンはやはり、萌衣が先だ。しかし、そこから狩野がキックの強さと力強さにぐんぐん追いつき、ほぼ同時にタッチする。

どちらか先にゴールできたかわからない。不満気な萌衣が再び指でもう1回と示す。狩野が了承しようとした時にジリリンと電子音が響く。

「あっ…、そうか…時間だ…。」
/498ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ