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タワマン〜墜ちた女達〜
第7章 盗撮と再会
自分の生活が大きく動き出したことを実感しながら、狩野は視線を車外に向ける。タクシーは海沿いのマンションから街中に向かって走る。マンションと街中の間はのんびりとした雰囲気の家や雑居ビルが立ち並ぶ。

『こんなところもあるんだな…。』

雑居ビルの間をすり抜けるように走るタクシーの車窓に、引っ越して来てから禄に外に出ていなかった狩野は物珍しく外を見ていた。

「あっ…。と、止めて!止めてください!」

あることに気づいた狩野は、慌ててタクシーの運転手に言う。ちょうどすぐのところに道幅の広い場所があり、運転手は怪訝そうな顔をして車を停める。

「すみません。知り合いを見つけたので、降ります!釣りは要りませんから!」

「あっ、ちょっとお客さん!こんなにいいんですか!?」

まだ2000円ほどの料金だったが、1万円を置いてタクシーを出る。1度言ってみたかったセリフだったなと思いながら、狩野は小走りに先ほど見た光景の場所へ急ぐ。少しして、目的のものを見つけ、歩を緩め、静かに歩き始める。

狩野が歩く10mほど先に腕を組んで歩く男女がいる。二人ともマスクをして、顔を隠しているが、女性の方の顔に見覚えがある。湯中真千子だ。

前に見た時よりおしゃれをした真千子は隣の男性に腕を組んで歩いている。隣の男性は若い。湯中の夫は40代だったはず。ということは…。

『あれが不倫相手ってことか…。』

狩野は前の二人に気づかれないように、後をつけながら携帯を操作する。こういう時のために狩野は無音カメラのアプリを携帯に入れていた。画素が少し荒いが十分顔はわかるであろう。周りに不審がられないように、携帯を見ている振りをしながら、写真を何枚か撮る。さらに動画にして録画を始める。

『こいつはラッキーだった…。まさかこんなとこで…。いや、こんなところだからか…。この先はたぶん…。』

マンションから離れ、あまり人気のない場所。ここなら大丈夫という油断があるのだろう。いくらマスクをしていても気づかれるというのに堂々と腕を組んでいる。さらに二人は狩野の予想通りの建物に入っていく。

『やっぱりか…。こいつはいいものが撮れた…。』

ラブホに入って行く二人の様子をばっちりカメラに収めながら、狩野は内心踊り出したいほどの喜びに震える。狩野からすれば鴨がネギを背負ってきたレベルの僥倖だった。
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