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タワマン〜墜ちた女達〜
第2章 引っ越し〜住民会議

「まぁ、でも、私はその辺は関係ないですし、一人暮らしで、時間にも余裕があるので、遠慮なく手伝わせてください。」
狩野は努めて明るく言う。しかし、事実でもある。そんなことを気にせずに生きていけるほどである財力が今の狩野にはあるのだ。
「ありがとうございます。でも、ちゃんとお礼はしますので。」
晴香がぺこりと頭を下げる。その後、ちょこちょこと会話しながら、片付けをし、二人で会議室を出る。ドアを開けて出ると、目の前にはコンシェルジュの高城が立っていた。
「うわぁっ!びっくりしたぁ…。高城さん…なんでそこに…。」
「あっ…。あのっ…。私はこれで…。狩野さん、ありがとうございました。」
高城に驚く狩野の横で、晴香は慌てて狩野にお礼を言って走り去る。高城は表情を変えずに、走り去る晴香の後ろ姿にお辞儀をしてから狩野に向き直る。
「このマンションの共用施設を狩野さんに案内して説明申し上げようとお待ちしておりました。しかし、なかなか出てこられないので…。」
高城はそこでチラリと意味有り気に晴香が走り去ったほうを見る。
「共有施設ではふしだらな行為は周りに影響が出ない程度にお願いいたします。」
高城は無表情でとんでもないことを忠告してくる。
「いや、片付けを手伝っていただけです!私も新しい人間だし、一人で片付けられてたから…。手伝ったほうがいいかと。しかも…人妻ですよ…。それに周りに影響がないなら大丈夫って言ってるように聞こえましたよ…。」
「基本、共用施設は住民の方々の自由ですからね…。声とかが漏れて、他の住民の方が迷惑されたり、いざこざが発生しなければ、こちらは何も。」
「そんなんでいいんですか…。」
「皆様はそれだけのお金を払ってお住まいですから。」
その瞬間だけ、無表情の高城の目が揺れた。金持ちを世話しなければいけない自分の立場に思うところがあるのかもしれない。
「しかし、伊藤さんは毎回片付け当番をされていますね…。」
「そうなんですか…?」
「はい、やはり低階層の方がされるのが、恒例のようですが、低階層で出席されるのは伊藤さんくらいです。まぁ、仕方のないことですが…。」
確かに出席者で一番下の6階の人はいなかった。出席せずとも良い立場の人達なのだろう。晴香は会社の関係で出ざるを得ないといったところか。そして、片付けを押し付けられる。
狩野は努めて明るく言う。しかし、事実でもある。そんなことを気にせずに生きていけるほどである財力が今の狩野にはあるのだ。
「ありがとうございます。でも、ちゃんとお礼はしますので。」
晴香がぺこりと頭を下げる。その後、ちょこちょこと会話しながら、片付けをし、二人で会議室を出る。ドアを開けて出ると、目の前にはコンシェルジュの高城が立っていた。
「うわぁっ!びっくりしたぁ…。高城さん…なんでそこに…。」
「あっ…。あのっ…。私はこれで…。狩野さん、ありがとうございました。」
高城に驚く狩野の横で、晴香は慌てて狩野にお礼を言って走り去る。高城は表情を変えずに、走り去る晴香の後ろ姿にお辞儀をしてから狩野に向き直る。
「このマンションの共用施設を狩野さんに案内して説明申し上げようとお待ちしておりました。しかし、なかなか出てこられないので…。」
高城はそこでチラリと意味有り気に晴香が走り去ったほうを見る。
「共有施設ではふしだらな行為は周りに影響が出ない程度にお願いいたします。」
高城は無表情でとんでもないことを忠告してくる。
「いや、片付けを手伝っていただけです!私も新しい人間だし、一人で片付けられてたから…。手伝ったほうがいいかと。しかも…人妻ですよ…。それに周りに影響がないなら大丈夫って言ってるように聞こえましたよ…。」
「基本、共用施設は住民の方々の自由ですからね…。声とかが漏れて、他の住民の方が迷惑されたり、いざこざが発生しなければ、こちらは何も。」
「そんなんでいいんですか…。」
「皆様はそれだけのお金を払ってお住まいですから。」
その瞬間だけ、無表情の高城の目が揺れた。金持ちを世話しなければいけない自分の立場に思うところがあるのかもしれない。
「しかし、伊藤さんは毎回片付け当番をされていますね…。」
「そうなんですか…?」
「はい、やはり低階層の方がされるのが、恒例のようですが、低階層で出席されるのは伊藤さんくらいです。まぁ、仕方のないことですが…。」
確かに出席者で一番下の6階の人はいなかった。出席せずとも良い立場の人達なのだろう。晴香は会社の関係で出ざるを得ないといったところか。そして、片付けを押し付けられる。

