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放課後のマドンナ
第7章 ロストバージン
「取り敢えず、次の担任決まるまで
英語の清水せんせさ代理で
受げ持ってもらうごどにすた」
校長先生がそう告げると
清水一美先生が教室に入ってきた。
「代理だばっても
一生懸命けっぱらへでいだだぎます」
地元出身者なのだろう、
清水一美はこちらの方言で挨拶をして
深々と頭を下げた。
納得がいかないのは淳一だった。
『なぜ僕に一言も言ってくれないんだ!』
淳一は清水先生が制止するのを振り切って
教室を抜け出した。
校庭の片隅でスマホを取り出して
恭子先生に連絡を取ってみた。
かなり長い呼び出し音のあと
「はい、恭子です」と
重苦しい声が返ってきた。
「恭子!どう言うことなんだ!
僕との交際がバレたのか?
だから不倫なんて嘘を言って
僕を庇ってくれたのかい?」
淳一は恭子が辞めた理由が
絶対に自分のせいだと思った。
もしかしたら相葉千鶴がうっかり校長に
僕たちの事を告げ口したのかもと思った。
「ごめん…淳一…
私、好きな男が出来たの…
その人とどうしても別れたくないのよ…
だから、あなたは同じ年頃の女性と
ちゃんとした恋愛しなさい」
ごめんなさいね
そう言って
唐突に通話が切れた。
『他に好きな男が出来た?』
なんだいそれ!
二股をかけていたのかよ!!
淳一はやるせなくて
スマホを思い切り校庭に叩きつけた。