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放課後のマドンナ
第8章 小百合の嫉妬
「まあ!それはそれはおめでどうございます
あ、申すおぐえだ、
わー、せんせさ担任すていだだいだ
岡小百合の母でございます」
『あ、小百合さんの…
お久しぶりです…
結婚と言っても誉められたものではありません
なにせ、スタートが不倫だったものですから…
先方の前の奥さまやお子さんには
辛い思いをさせてしまっているので…』
略奪結婚かしら?
こんな人に相談するのも気が引けるわ…
郁恵が沈黙してしまったので
自分が良く思われていないことを恭子は察した。
用件だけを尋ねて電話を切ろう…
そう思って『あの…何か私にご用でも?』と
郁恵に電話をかけてきた用件を尋ねた。
「あ、いえ、こったごど聞ぐのもアレなんばって…
せんせは清水せんせの連絡先
ご存知ねがど思いますて…」
『そうでしたか…
すいません、学校を辞めてからは
すべて学校関係の連絡先を消去したものですから』
「そうですたが…
そいだば仕方ねね…
突然のお電話失礼すた」
これ以上、不倫した女と会話することもないわと
郁恵は通話を終えようとした。
『あの…もしかして
小百合さんに何かあったのでしょうか?』
不倫で教師を辞めたとはいえ、
元教え子に何かあったのかと
恭子は胸をざわつかせた。