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放課後のマドンナ
第8章 小百合の嫉妬
翌日、村の村道を一台の赤い軽四が駆け抜ける。
その車は下校時間に合わせるように
高校の校門脇の空き地に駐車した。
校門から自転車に乗った小百合が校門を出ると
その駐車した車がプ、プ~っとクラクションを
優しく鳴らした。
何事かと振り向いた小百合を
懐かしい顔が出迎えた。
「小百合~」
恭子先生が運転席の窓を開けて手を振っていた。
「保坂先生!!」
小百合は自転車をUターンさせて
恭子の自動車へ駆け寄った。
「久しぶりね、岡さん」
「せんせ、お元気ですたが?」
車を降りた恭子の姿を見て
小百合は驚いた。
お腹がふっくらとしていた。
「せんせ、もすかすて…おめでただが?」
そう尋ねると
恭子はちょっぴり恥ずかしそうに微笑んだ。
「少しだけ、お時間をもらえる?」
小百合としても恭子に相談にのってほしくて
自転車を駐輪して恭子の車に乗り込んだ。
少し村から外れた川の土手に車を停めて
恭子が小百合に問いかけた。
「小百合、何かで悩んでいるの?」
「なすて、そったごど聞ぐの?」
「昨夜、あなたのお母さんから連絡をもらってね
清水先生の連絡先を聞かれたの…
その口調に何だか焦っているような気がしてね…
これは、あなたに何かあったのかしらと
気になって訪ねてみたの」
「母が?…」
「余計なことだと思わないでね
心配するのは親として当然だから
多分、清水先生に
何か聞きたいことがあったと思うの
私で良ければ相談に乗るわよ」
そう言って恭子は小百合を優しく見つめた。