この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
放課後のマドンナ
第8章 小百合の嫉妬
優しい眼差し…
妊娠して小さな命を宿しているからか
その眼差しは担任をされていた頃よりも
慈愛に満ちていた。
その眼差しに小百合の心も解きほぐされてゆく。
「せんせ、あのね…」
小百合は淳一の事がわからなくなったと
素直に話した。
キスもしたし、ハグもした
アソコを舐めあったというところは省いて
自分は淳一の彼女として
彼に認めてもらったと思っていた。
なのに淳一は尚子の弁当を食べ、
彼女の言葉にヘラヘラと笑顔を返し
まるで小百合の事など眼中にない行為に
どうしようもなくむしゃくしゃするのだと
恭子に打ち明けた。
「小百合さん、あなた、淳一くんを
とても深く愛しているのね…
そのモヤモヤした気持ちは嫉妬なのよ」
「嫉妬…?」
「ヤキモチをやいているの
正直に淳一くんを好きと表現できる尚子さんが
羨ましくてたまらないのよ
あなたも彼に対して正直になりなさい
きっと彼はまだ誰のものでもないはずよ」
いい?男と女の関係は奪い合いよ
勝ち負けを決めるんじゃないけど
ちゃんとあなたの気持ちを彼にぶつけるの
恭子はそう言って小百合の頭を撫でた。
淳一が煮え切らない態度を取っているのは
きっと自分が彼を裏切ったからだわと
小百合を慰めながら
自分自身のいたらなさを恥じた。