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放課後のマドンナ
第8章 小百合の嫉妬
『さて…あとは淳一ね』
小百合を自転車を駐輪している校門横の
空き地に送り届けると「頑張んなさいよ」と
髪の毛をぐしゃぐしゃにするほど撫でると
「もう!子供じゃないんだからぁ」と
ようやく小百合に笑顔が戻った。
「さて、もうひと踏ん張りしますか~」
車を発進させて
恭子は自分に喝をいれるように
独り言を言いながらハンドルを握った。
駅前のスーパーのゲームセンターにいてるはずと
狙いを定めて行ってみると
案の定、クラスメートと
クレーンゲームに夢中になっている淳一を発見した
- 淳一、私はここよ -
そのようにLINEを送ると
淳一は文面を読んで辺りをキョロキョロと見渡した
柱の陰から、こっちこっちと手を振ると
仲間の男の子たちに
「ちょっとトイレに行ってくる」と告げて
脱兎のごとく恭子の元へ掛けてきた。
「淳一…久しぶりね」
「勝手に先生を辞めて酷いじゃないか!」
そう言うと淳一は恭子に抱きついてきたが
すぐさま、恭子のお腹の膨らみに気づいた。
「えっ?これって…まさか…」
妊娠しているのだと気づいた淳一は
涙をポロポロと流しはじめた。
「これが不倫とやらの結果ですか!」
恨みを込めて淳一は恭子を睨んだ。