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放課後のマドンナ
第2章 夢が現実に?
おまけに空がにわかに曇ってきたなと思うと
ゴロゴロと雷まで鳴りはじめた。
「一雨来るんじゃないか?」
ムラムラしてくる気持ちを紛らわせるために
淳一は空を見上げてそう言った。
言い終わらないうちに
真っ暗な空からポツリポツリと雨粒が落ちてきた。
「少し急ぐね」
小百合はそう言うと立ち漕ぎをし始めた。
淳一の目の前にプリプリの尻がそびえ
自転車を漕ぐ度に形の良いヒップが揺れた。
おまけに前傾姿勢を取るものだから
いやが上にも尻を
淳一の顔面に突き出す形が出来上がり
匂いを嗅ぎたくて
淳一はスーハーと鼻呼吸をした。
『この幸せな時間が終わらなければいい』
そう思ったのも束の間で
パシャ~ン!!と雷光と共にとんでもない音がして
それに遅れて数秒後に滝のような雨が降ってきた。
淳一は辺りを見渡して
「あそこ!あそこで雨宿りしよう」と
斜め右の道路脇に立つ祠を指差した。
ぼろぼろの祠ではあったが
雨宿りするにはもってこいだった。
「勝手に入って罰を受けないかしら」
電灯もない薄暗い祠の中に入って
小百合は不安げにそう言った。
「もともとこのような祠は
江戸時代の頃から
旅人の野宿的な使われ方をしてきたんだよ
宗教的な意味合いなど何もないさ」
そう言ってあげると安心したのか
小百合はバッグから
部活用のバスタオルを取り出して
雨に濡れて雫が滴る髪を拭きはじめた。