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放課後のマドンナ
第1章 転校生
厳格な父親と茶目っ気のある母親…
何故このような正反対の二人が結ばれたのか
淳一はずっと不思議に思っていた。
これが両家とも政財界の人間なら
政略結婚という図式も成り立つが
いずれもごく普通の家庭に育ち
見合でもなければ恋愛結婚というから驚きだ。
「じゃあさ、二人で田舎に行きなよ」
「ダメだ!」
「それが一番ダメよ」
珍しく淳一の問いかけに
夫婦ともに意見が一致した。
「あんたを一人にさせたら
何をするかわかったもんじゃないわ」
母親の美佐恵は真剣な顔でそう言った。
自分って…
こんなにも親から信頼されてなかったのかと
白旗を上げた。
そうして一家揃っての田舎暮らしがスタートした。
転居先に荷物を運びいれて
コンビニで弁当を買うにも
隣町まで行かなければ行けないので驚いてしまった
まさかと思ってスマホを見てみたら
圏外にはなっていなかったので
少しだけホッとした。
午後から美佐恵と一緒に
転入する高校へ足を運んだ。
レベルも低いようで、
その学校は編入試験もなしに
淳一を迎え入れてくれた。
「慣れない土地に来て大変だろうけど
すぐに慣れるわ」
担任の保坂恭子はそう言って
よろしくねと手を差し出した。
『美人だなあ…』
掃き溜めに鶴とはこの事か?
こんなくそ田舎の高校にこんなにも美しい女の教師がいることでちょっぴり心が踊った。
心踊ろかせたのは保坂恭子の存在だけではなかった
もともとは女子校だったそうで
在校生の8割りが女性という
ハーレムに近い環境だった。