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放課後のマドンナ
第4章 千鶴を口封じ
車がすれ違いざま、何気に運転手を見ると
やはり間違いなく恭子先生だった。
そして驚いたことに
助手席に座って楽しげにしていたのが
編入生の大津淳一ではないか!
「なすてあの二人…」
恭子先生だって独身なのだから
デートのひとつや二つはするだろう。
しかし…しかしだ!
よりによって教師と教え子が?
千鶴は見てはいけないものを見てしまったと
心臓が早鐘を打つのを
意識しないわけにはいかなかった。
週明けの学校…
千鶴は男子グループで下校してゆく
大津淳一を呼び止めた。
「大津ぐん、話があるの」
「おっ!なんだい告白するのがい?」
男子グループの一人が囃し立てた。
「そったのでねはんで!」
千鶴は囃し立てた男の子を睨んだ。
「おっかねねえ!」
とばっちりを食ってはいけないと
早く帰ろうぜと
淳一を残してさっさと帰ってしまった。
「なんだい?話って…」
「な、昨日せんせとどごさ行っちゃーの?」
「えっ?
昨日か…いや、僕は先生とは会ってないよ
僕は一人で図書館に…」
「嘘しゃべらねで、
わー、見でまったんだはんで」
『見られたのか?』
「じゃあ…どこで見たって言うんだい」
「○○温泉!」
『やっぱり見られていたんだ!』
どうする?どうしたらいい?
淳一の額から粘っこい不快な汗が吹き出した。