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放課後のマドンナ
第1章 転校生
午後の授業も
先生の目を盗んでは
やたらと淳一にスキンシップをしてきた。
まるで他の生徒に恋人宣言でもしているようだ。
放課後、淳一は男子生徒に屋上に呼び出された。
「おめ、調子さ乗ってらんでねぞ」
席替えを強いられた男が
睨みを聞かせながらそう言った。
そのうちのリーダー格と思われる一人が
淳一に殴りかかってきた。
『へっぴり腰のパンチだな…』
その動きだけで
彼らが喧嘩慣れしていないのがわかった。
淳一はガラ空きのみぞおちに膝蹴りを食らわした。
「いでぇ!いでぇよぉ!」
腹を押さえて倒れこむ男に
もう一人の男が「大丈夫け?」と駆け寄った。
「ひどぇべさ、手加減すろよ!」
「いや、喧嘩に手加減とか関係ないし
それに殴りかかってきたのはそっちだし」
淳一は「大丈夫か?」と
倒れている男に手をさしのべた。
「おめ、喧嘩がつえぇんだな」
「ああごめん…俺、空手の有段者なんだ」
「そったごどは先さしゃべってけじゃ」
男は淳一の手を握り返して立ち上がった。
「わりぐであったよ、わんつか君さ嫉妬すたんだ」
「嫉妬?」
「そうだよ、だっておめぇ、
マドンナ独り占めするもんだはんで」
マドンナを独り占め?
ああ、なるほどね
岡 小百合って女は彼らのマドンナだった訳か…