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放課後のマドンナ
第5章 恭子の色香

そんな江坂と恭子のやり取りを見て、
他の先生方は「またまた始まったよ」と
うんざりした顔で恭子を憐れに思いながらも
他人事に首を突っ込むのも気が引けると
我、関せずといった感じで素通りしていった。

そう、江坂誉は女癖が悪くて
先生たちには悪評が立っていた。

校長から一言お灸を据えていただきたいところだが
なにせ江坂誉は市長の甥っ子ということで
誰も彼に注意をすることができなかった。

変に江坂を注意して
気分を害した江坂が市長に告げ口して
自分達の立場が怪しくなるのを恐れた。

「ねえねえ、たまにはさ、俺と付き合ってよぉ」

マイカーを停めてある駐車場まで
江坂はしつこく恭子につきまとった。

「江坂先生!
あなた、奥さんも子供さんもおられるんでしょ?
私を口説いてどうするつもりなんですか?
不倫でもしようというのですか?」

耐えきれずにキレぎみに恭子は江坂を貶した。

「はい、そうですよ
俺は君と男と女の付き合いをしたいと思っている」

「な、何を!?」

恭子は開いた口が塞がらなかった。

「江坂先生、いいですか、
私たちは聖職と呼ばれる教員何ですよ」

「聖職?そんなのは昭和初期の事でしょう
今では性の職の性職じゃないですかねえ」

ニタニタ笑いながら
自分でけっこう上手い例えだと言わんばかりに
恭子のマイカーの
助手席を陣取らんという勢いだった。


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