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放課後のマドンナ
第5章 恭子の色香
スマートキーの難点は
運転席のドアを解錠すると
全ドアのロックが解錠されてしまうことだ。
ロックが解錠されるやいなや
江坂先生はスルリと助手席に乗り込んだ。
「ちょっと!!
いい加減にしてください!
人を呼びますよ!!」
大声で叫んだところで
関わりを持ちたくないと
誰も来てくれないのは火を見るより明らかだった。
「ふう~…」
恭子はやりきれなくてため息をついた。
「わかりました…少しだけですからね」
その辺りをぐるっと一周でもすれば
満足して解放してもらえると思った。
「そうこなくっちゃ!」
江坂はいそいそとシートベルトを着用した。
「いいですか、短時間だけですからね
それで諦めて降りて下さいね」
人気(ひとけ)のないところを走るのは
さすがにヤバいと感じて
恭子は市街地を目指して車を発進させた。
こうして、ただドライブするのも退屈ですし
良かったらそこの喫茶店で
コーヒーでも飲みませんか?
二人っきりの車内よりも
そちらの方がいいかしらと
恭子は江坂の言うようにファミレスに車を停めた。
「ドリンクバーでいいですよね?」
恭子が答えるよりも先に
テーブルのタブレットを操作して
さっさと注文してしまった。