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放課後のマドンナ
第1章 転校生

恭子は自分の心を見透かしているような
淳一の真剣な目に吸い込まれそうになる。

身動きが取れない。

気づけば淳一の顔がどんどん近づいて、
唇と唇が触れた。

「ちょっ、なに…?!何をするの!!
あなた、今、私にキスを…したわね?」

混乱する恭子は困った顔で淳一を責めた。

いきなりキスをされ、
恭子は平常心を保てずにいた。

「先生、嘘ついてごめんなさい。
さっき言った通り、先生と二人きりになりたくて
わざとテスト間違えました。
簡単な内容だったから、
誰も間違えないだろうって。
俺だけ間違えたら先生と二人で
再テスト受けれるかなっと思って」

再びキスをしそうなほど顔を近づけるものだから
淳一の吐息が頬に当たる。

「先生のこと好きなんです。
先生さっき寂しそうな顔してたから、
同じ気持ちなのかな~と思って
早まっちゃいました。
ダメでした?」

突然の告白に恭子は驚いてしまった。

告白に対しての答えが欲しくて
淳一は恭子をじっと見つめた。

「先生をからかわないで」

急いで採点の赤ペンを筆箱に戻すと
何とも言えない重苦しい空気から逃げたくて
恭子は席を立った。

「嘘じゃないんです!俺のこと信じて下さい!」

「淳一くん、かっこいいし頭いいし
運動も出来るし、彼女なんてすぐに出来るわ」

「俺、先生しか見えないんです!
他の女に興味はありませんから!!
先生は僕のこと、どう思ってますか?」

「私も…淳一くんのこと気になってた。
でもそれは、好きとか…ん…」

言い終わらないうちにまた唇が重なった。

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