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放課後のマドンナ
第6章 ナンパ

「やはり市街地まで来るど、めごぇ子多ぇなあ」

田舎っぺ丸出しで
キョロキョロしながら加藤は落ち着きがなく
まるで挙動不審者そのものだ。

「おっ!あの子達にするべが」

前を歩く二人連れの女の子に声をかけろと
加藤は必死に頼み込んできた。

『やれやれ…』

そんなにナンパがしたいのなら
自分で声をかけろと思いながら
淳一は前をゆく二人の女の子に声をかけた。


思いの外、二人は快く淳一たちに合流してくれた。

一人は目のパッチリしていて
メイク慣れしていないのか
子供のぬり絵みたいな顔をしていた。
名前は登紀子というらしい。

もう一人はノーメイクで
かなりポッチャリとした朗らかな女性だった。
こちらの女性は晴海と名乗った。

加藤は登紀子ちゃんを気に入ったようだが
晴海が加藤を気に入って、しきりに話しかけていた

「ねえ、こうすてらのも何だす、
2グループさ別れで行動すねが?」

お互いの自己紹介が済んだところで
別行動しませんかと晴海が言い出した。
加藤は登紀子と二人になりたかったようだが
押しの強い晴海が加藤と腕を組み、
「わー、カラオケさ行ぎでわ」と
さっさと喫茶店を後にして
カラオケルームへ向かった。

「僕たち…どうします?」
残された淳一は登紀子に
どこかに行きたいところはないかと訊ねた。

「ゆさ行ぎでの」

慣れないメイクで痒くなってきたと登紀子は言った

仕方なく少し距離はあるが
温泉地の共同浴場へ連れていくことにした。




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