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放課後のマドンナ
第6章 ナンパ

「ほら、どごも満室だよ」

加藤と晴海は三件目のカラオケ店で
待ち時間二時間と聞かされて途方にくれていた。

「週末の土曜日さ、
予約なすでカラオケなんてでぎねじゃ」

加藤は淳一たちと合流したくてたまらない。
なぜなら登紀子が自分の好みのタイプだったからだ

「わー、カラオケのでぎるどごろ、おべでらわ」

カラオケのできるところを知ってるって?
どうせそこも満室で待ち時間が発生しているよ

そう思いながらも、加藤は渋々、晴海の後を歩いた

「こごよ」

晴海に連れられてやって来たのは
なんと、ラブホテルだった。
確かに部屋にはカラオケ装置もあるけれど
いくらなんでもラブホテルってのは…

「行ごう、わー、歌いだぐで仕方ねの」

晴海は躊躇なく加藤の手を取って
ラブホテルの入り口をくぐった。

「わんつか待った!
こごは何するどごろが、おべでらの?」

何をするところかわかってるのかよ!
加藤は晴海の手を振りほどこうとした。

「変な気起ごさねば、単なる部屋よ」

そう言われればその通りだ。
晴海が相手なら
間違っても変な気は起こさない自信もあった。

奢ってあげるから、行こう

そう言われて尻込みするのも情けないので
「ほんにカラオケするだげだはんでな」と
念を押して
二人はラブホテルの部屋に入った。

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